最近、
なんとなく体が重い
気分が安定しない
毎月のリズムがつらい…
そんな“ゆらぎ”を感じていませんか?
東洋医学では、
女性の一生に深く関わる
“見えない流れ”として
「奇経八脈(きけいはちみゃく)」があります。
なかでも、任脈・衝脈・帯脈は
女性ホルモンや月経、更年期などに
特に関係が深いとされています。
今回はこの3つの経脈の役割と
日々の食事でやさしく整えていく
「薬膳レシピ」について解説し
ご紹介します。
復習: 奇経八脈とは?
東洋医学における経脈(けいみゃく)とは
気血(きけつ)という
エネルギーが流れる“道”のこと。
通常の12本の「正経」に対し
「奇経八脈」は特別な8つのルートで
正経のバランスを
調整する補助的な役割を持ちます。

とくに、女性の体は
月経・妊娠・出産・更年期といった
変化が大きいため
この“奇経”の状態が
体調に大きく影響すると言われています。
任脈・衝脈・帯脈、それぞれの役割
任脈(にんみゃく)
全身の陰の気を統括し
女性ホルモンに深く関与
子宮や生殖機能の状態とも関係
→冷え、生理不順、
不妊などとつながることも
衝脈(しょうみゃく)
「血海(けっかい)」とも。
血流を改善し
血の滞りを解消する効果があることから
名付けられました。
全身に気血を巡らせる重要な経脈
→貧血、月経過多、
情緒不安定に関係
帯脈(たいみゃく)
唯一横向きに流れる経脈で
腹部や下半身の安定
子宮を支える帯のような役割
→下半身の冷えやむくみ
帯下(おりもの)異常などと関係
薬膳素材の選定 ‐季節感・体質を考慮して‐
奇経のうち、特に女性の心と体に
深く関わるのが任脈・衝脈・帯脈。
この3つの経脈をケアするには
「今の季節」と「自分の体質」に合った
食材を選ぶことがポイントです。
任脈を整える薬膳素材
キーワード:温める・潤す・腎を補う
任脈は“女性の本流”とも言われる
重要な経脈

冷えやホルモンバランスの乱れと
深く関係します。
特に「腎(じん)」を養うことで
任脈は整いやすくなります。
冬〜早春: 黒ごま、くるみ、羊肉、黒豆
なつめ、山薬(やまいも)
春〜夏: クコの実、松の実、ハスの実
百合根、豆乳
冷えが強い人:
生姜、シナモン、ねぎなどの温性食材をプラス
のぼせやすい人:
地黄、百合根、豆乳などで潤いを補う
疲れやすい人:
山薬、なつめ、黒豆などで補気補血を
衝脈を整える薬膳素材
キーワード:血を補う・巡らせる・気を整える
衝脈は「血の海」と言われるほど
血の質・量・巡りを左右します。

イライラ
情緒の波
生理トラブルが気になる人に
特に意識してほしい経脈です。
春~夏: 小松菜、ほうれん草、なつめ
レバー、黒きくらげ
秋~冬: 落花生、れんこん、当帰
みかんの皮(陳皮)
貧血傾向:
なつめ、黒ごま、レバー、ほうれん草、黒豆
イライラ、胸のつかえ:
陳皮、香菜、ミント、ジャスミン
冷え+巡りの悪さ:
紅花、しょうが、桂皮(シナモン)
帯脈を整える薬膳素材
キーワード:湿をさばく・脾を補う・下半身を整える
帯脈は、腹部や骨盤を支える
横の流れを持ちます。

冷え
むくみ
下半身太り
そしておりものの異常などとも
関係しています。
梅雨〜夏: 冬瓜、はとむぎ、
とうもろこしのひげ茶、ハスの葉
秋冬: 山芋、かぼちゃ、栗、里芋、
黒きくらげ
むくみやすい・だるさ:
はとむぎ、冬瓜、あずき、とうもろこしのひげ
脾(胃腸)が弱い人:
山薬、白米、陳皮、みかん、乾姜
冷え+下腹部のだるさ:
生姜、シナモン、よもぎ、黒豆
任脈・衝脈・帯脈をケアする1週間の薬膳レシピ
毎日少しずつ
違うテーマで3つの経脈を
ケアしていく一週間の提案例です。
薬膳は、
「難しい特別な食材」ではなく
日々の台所にある食材たちが
「主役」です。

任脈・衝脈・帯脈の視点から
自分の体と向き合いながら選ぶことで
季節にも
心にも
やさしいレシピが生まれます。
ゆる〜く始められる薬膳
ぜひ参考にしていただき
ご自分にあった
”ゆるふわ薬膳ライフ”を
お試しくださいね🌿
黒ごまとなつめの滋養スープ
→体を内側から温め
ホルモンバランスを整える食材を使用
黒豆と小松菜のおかゆ
→血を補い、気の巡りを助ける
貧血気味の方にもおすすめ

はとむぎと山芋の炒め物
→脾胃を助けてむくみを取り
下半身の安定をサポート
生姜と長ねぎの温活スープ
→冷えを防ぎ
子宮をあたためる定番の組み合わせ
紅花と陳皮の巡り茶
→血流を良くし
気滞を防ぐやさしい薬膳茶

里芋とセロリの香味炒め
→脾を補い、湿をさばいて
下半身の安定をサポート
百合根の鶏むね肉蒸し
→任脈・衝脈・帯脈を穏やかに整える
気血を補う調和メニュー
取り入れるときのポイント
・完璧を目指さず
「できる日だけ」「できる部分だけ」でOK。
・食材の一部を取り入れるだけでも
体はちゃんと受け取ってくれます。
・季節や自分の体質に合わせて
アレンジしてみましょう。
・小さな不調も“体からの声”
気づいたときが
ケアのタイミングです。

まとめ&おわりに
任脈・衝脈・帯脈は
目には見えないけれど
私たちの体と心を
深く支えている大切な存在。
薬膳の力を借りて
毎日の食事の中で
そっと整えていくことができます。
大切なのは
自分の体と仲良くなること。
ゆらぎの多い女性の体に
やさしい薬膳ケアを
ぜひ取り入れてみてくださいね✨