始めの薬膳:“なんとなく不調”が和らぐ  任脈・衝脈・帯脈を整える7日間の薬膳習慣

最近、
なんとなく体が重い
気分が安定しない
毎月のリズムがつらい…

 
 
 

そんな“ゆらぎ”を感じていませんか?

 
 
 

東洋医学では、
女性の一生に深く関わる
“見えない流れ”として
「奇経八脈(きけいはちみゃく)」
があります。

なかでも、任脈・衝脈・帯脈は
女性ホルモンや月経、更年期などに
特に関係が深い
とされています。

 
 
 

今回はこの3つの経脈の役割と
日々の食事でやさしく整えていく
「薬膳レシピ」について解説し
ご紹介します。

復習: 奇経八脈とは?

東洋医学における経脈(けいみゃく)とは
気血(きけつ)という
エネルギーが流れる“道”のこと。

 
 
 

通常の12本の「正経」に対し
「奇経八脈」は特別な8つのルートで
正経のバランスを
調整する補助的な役割
を持ちます。

とくに、女性の体は
月経・妊娠・出産・更年期といった
変化が大きいため
この“奇経”の状態が
体調に大きく影響すると言われています。

任脈・衝脈・帯脈、それぞれの役割

任脈(にんみゃく)

全身の陰の気を統括し
女性ホルモンに深く関与

子宮や生殖機能の状態とも関係
  →冷え、生理不順、
   不妊などとつながることも

衝脈(しょうみゃく)

「血海(けっかい)」とも。

血流を改善し
血の滞りを解消する効果があることから
名付けられました。

全身に気血を巡らせる重要な経脈
   →貧血、月経過多、
   情緒不安定に関係

帯脈(たいみゃく)

唯一横向きに流れる経脈で
腹部や下半身の安定

子宮を支える帯のような役割
 →下半身の冷えやむくみ
   帯下(おりもの)異常などと関係

薬膳素材の選定 ‐季節感・体質を考慮して

奇経のうち、特に女性の心と体に
深く関わるのが任脈・衝脈・帯脈。

 
 
 

この3つの経脈をケアするには
「今の季節」と「自分の体質」に合った
食材を選ぶこと
がポイントです。

任脈を整える薬膳素材

キーワード:温める・潤す・腎を補う

任脈は“女性の本流”とも言われる
重要な経脈

冷えやホルモンバランスの乱れと
深く関係します。

 

特に「腎(じん)」を養うことで
任脈は整いやすくなります。

✅季節別おすすめ素材

冬〜早春: 黒ごま、くるみ、羊肉、黒豆
     なつめ、山薬(やまいも)
 春〜夏: クコの実、松の実、ハスの実
     百合根、豆乳

✅体質別の選び方

冷えが強い人:
生姜、シナモン、ねぎなどの温性食材をプラス

のぼせやすい人:
地黄、百合根、豆乳などで潤いを補う

疲れやすい人:
山薬、なつめ、黒豆などで補気補血を

衝脈を整える薬膳素材

キーワード:血を補う・巡らせる・気を整える

衝脈は「血の海」と言われるほど
血の質・量・巡りを左右します。

イライラ
情緒の波
生理トラブルが気になる人に
特に意識してほしい経脈です。

✅季節別おすすめ素材

春~夏: 小松菜、ほうれん草、なつめ
    レバー、黒きくらげ
秋~冬: 落花生、れんこん、当帰
    みかんの皮(陳皮)

✅体質別の選び方

貧血傾向:
なつめ、黒ごま、レバー、ほうれん草、黒豆 

イライラ、胸のつかえ:
陳皮、香菜、ミント、ジャスミン

冷え+巡りの悪さ:
紅花、しょうが、桂皮(シナモン)

帯脈を整える薬膳素材

キーワード:湿をさばく・脾を補う・下半身を整える

帯脈は、腹部や骨盤を支える
横の流れを持ちます。

冷え
むくみ
下半身太り
そしておりものの異常などとも
関係しています。

✅季節別おすすめ素材

梅雨〜夏: 冬瓜、はとむぎ、
     とうもろこしのひげ茶、ハスの葉 
  秋冬: 山芋、かぼちゃ、栗、里芋、
     黒きくらげ

✅体質別の選び方

むくみやすい・だるさ:
はとむぎ、冬瓜、あずき、とうもろこしのひげ 

脾(胃腸)が弱い人:
山薬、白米、陳皮、みかん、乾姜 

冷え+下腹部のだるさ:
生姜、シナモン、よもぎ、黒豆

任脈・衝脈・帯脈をケアする1週間の薬膳レシピ

毎日少しずつ
違うテーマで3つの経脈を
ケアしていく一週間の提案例です。

 
 
 

薬膳は、
「難しい特別な食材」ではなく
日々の台所にある食材たちが
「主役」
です。

任脈・衝脈・帯脈の視点から
自分の体と向き合いながら選ぶことで
季節にも
心にも
やさしいレシピが生まれます。

 
 
 

ゆる〜く始められる薬膳

 
 
 

ぜひ参考にしていただき
ご自分にあった
”ゆるふわ薬膳ライフ”を
お試しくださいね🌿

【月曜:任脈ケア】

黒ごまとなつめの滋養スープ
  →体を内側から温め
  ホルモンバランスを整える食材を使用

【火曜:衝脈ケア】

黒豆と小松菜のおかゆ
 →血を補い、気の巡りを助ける
  貧血気味の方にもおすすめ

【水曜:帯脈ケア】

はとむぎと山芋の炒め物
  →脾胃を助けてむくみを取り
  下半身の安定をサポート

【木曜:任脈ケア】

生姜と長ねぎの温活スープ
 →冷えを防ぎ
  子宮をあたためる定番の組み合わせ

【金曜:衝脈ケア】

紅花と陳皮の巡り茶
 →血流を良くし
  気滞を防ぐやさしい薬膳茶

【土曜:帯脈ケア】

里芋とセロリの香味炒め
 →脾を補い、湿をさばいて
  下半身の安定をサポート

【日曜:三脈の調和】

百合根の鶏むね肉蒸し
 →任脈・衝脈・帯脈を穏やかに整える
  気血を補う調和メニュー

取り入れるときのポイント

・完璧を目指さず
「できる日だけ」「できる部分だけ」でOK。

・食材の一部を取り入れるだけでも
 体はちゃんと受け取ってくれます。

・季節や自分の体質に合わせて
 アレンジしてみましょう。

・小さな不調も“体からの声”
 気づいたときが
 ケアのタイミングです。

まとめ&おわりに

任脈・衝脈・帯脈は
目には見えないけれど
私たちの体と心を
深く支えている大切な存在。

 
 
 

薬膳の力を借りて
毎日の食事の中で
そっと整えていくことができます。

 
 
 

大切なのは
自分の体と仲良くなること。

 

 
 

ゆらぎの多い女性の体に
やさしい薬膳ケアを
ぜひ取り入れてみてくださいね✨