前回は、
漢方の解釈での
慢性頭痛と
原因をまとめていきました。
今回は、
現代医学で分類された頭痛について、
漢方のアプローチ方法での
タイプと対策を
まとめてみようと思います。
こちらのほうが、
より身近で
分かりやすいかもしれませんね。
現代医学の「頭痛」には何があるの?
現代医学では、慢性頭痛を
『偏頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛』
の3つに分類されています。
その他にも
天候や気圧の変化で起こる
「低気圧頭痛」や
高血圧が原因の頭痛など、
いろんなの種類があります。
一時的な頭痛も含めると
たくさんありますが、
慢性頭痛の場合
身体内部の不調が
原因となっていることがほとんどです。
この場合、
鎮痛剤で一時的な痛みを止める
対処療法では
再発頻度も高くなります。
生活に支障が出るような
耐えがたい痛みがある場合、
鎮痛薬は大変有効です。
しかし、鎮痛薬を乱用することは
かえって
自身の身体の負担にもなりかねません。
そのうえ最近では、
痛みを取り除くための薬を
多用して起こる
「薬物乱用頭痛」というものも出てきています。
今回は代表的ないくつかの頭痛の
原因と簡単な対策法を
まとめていきたいと思います。
いろいろな頭痛、あれこれ
片頭痛
片頭痛は、女性に多く
脈打つような
ズキンズキンという
激しい痛みが特徴的な頭痛です。
片頭痛は
脳の血管が一度収縮したあとに
拡張して、
三叉神経に作用し
起こる痛みだとと言われています。
ストレスや
不規則な睡眠、
臭いや音、
まぶしい光などが
誘因と考えられています。
片頭痛のような
ズキズキする頭痛は
漢方の考え方では
「冷え」が原因ととらえられます。
体が冷えていると
「気」や「血」が
頭に巡らなくなって
頭痛が起こります。
いわゆる「不通則痛」の状態です。
我慢できないほどの頭痛とともに
吐き気をともなうこともあります。
<対策法>
体の中心である
お腹をあたためて
めぐりを改善させることが大切です。
痛みが出た場合は、
大きな音や
まぶしい光を遮断し、
血管の拡張を抑えるために
痛む部分を
冷やすのも効果的です。
心もカラダも、
ゆっくりと落ち着かせましょう。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、
首や肩の筋肉が緊張し
血液の流れが悪くなって
起こる頭痛です。
身体的・精神的な緊張が
原因と考えられています。
長時間、同じ姿勢を続ける
パソコン作業などからくる
目の疲労
ストレスなどが原因で
首筋や後頭部が
締め付けられるような
鈍い痛みが現れます。
緊張型頭痛は
重だるい痛みが特徴で、
頻度も高い頭痛です。
<対策法>
体をあたため、
凝り固まった筋肉を
ほぐすことが大切です。
筋肉がほぐれることにより
血流がよくなります。
適度な運動は
筋肉のこわばりをほぐすだけではなく
精神的なストレスの解消にも役立ちます。
群発頭痛
群発頭痛は男性に多く
深夜、
目の奥に激烈な痛みが起こるのが特徴です。
アルコールや喫煙、
気圧の急激な変動などで悪化しますが、
発症のメカニズムは不明です。
※群発頭痛を漢方の解釈で説明されたものが極端に少なかったため、ここでの解説は 割愛させていただきます。
低気圧頭痛
雨の日に頭が痛くなる
「低気圧頭痛」は、
急激な気圧の低下や上昇によって
体内の自律神経が乱れ、
頭痛や身体のだるさになって
現れるといわれています。
漢方では、
水のめぐりが悪くなったことによる
頭痛だと言われています。
体の中の水のめぐりが悪くなり、
水が頭にたまってしまっていることが
考えられます。
頭痛の他に
胃のむかつきや吐き気
めまいなどの症状が
起こることがあります。
<対応策>
余分な水分を体の外に出すことで
頭痛を改善させます。
むくみを取る食材の力を借りたり
適度な運動で
余分な水分を体内から排出させます。
高血圧頭痛
高血圧傾向の
中高年の方にみられる頭痛です。
漢方では、高血圧は
「気」が頭に
上昇している状態と考えられます。
「気」が上昇すると熱に変わり
頭痛やめまいを引き起こします。
また「血」も同時に上昇するので
顔が赤くなる
目が血走るなどの症状が現れます。
<対応策>
「気」の上昇を抑えるとともに
「気」や「血」の
めぐりを整えることで
頭痛を改善します。
月経前頭痛
月経前から
月経はじめにかけての頭痛は
女性ホルモンの減少による
セロトニンの減少が
血管を拡張させることにより起こると
考えられています。
漢方では、
月経前は特に「血」が不足し
「血虚」の状態が続くと
頭に栄養が届かず
しくしくと続く
もしくはぼんやりとした痛みを伴う
頭痛が起こりやすくなると言われています。
「不栄即痛」の状態です。
<対策法>
血を増やす食品をとったり、
造血・補血効果のある漢方薬も
おススメです。
心もカラダもリラックスして
もうすぐやってくる生理に備えましょう。
頭痛に効果のある漢方薬、あれこれ
たくさんの漢方薬が
薬局に並んでいますね。
パッケージに書いてある効果効能が
すべての人に有効であるとは限りません。
漢方薬はその人の体質や証
症状のあらわれ方
生活習慣などを
診断されたうえで
処方されるものです。
本格的に治療に希望される場合は
漢方医に相談されることが
早く症状を解消できる方法だと思います。
一般的に有効だと言われる
漢方薬をご紹介します。
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
片頭痛、緊張型頭痛(特に片頭痛)
桂枝人参湯(けいしにんじんとう)
片頭痛と緊張型頭痛
釣藤散(ちょうとうさん)
片頭痛と緊張型頭痛(特に緊張型頭痛)
葛根湯(かっこんとう)
緊張型頭痛
五苓散(ごれいさん)
低気圧頭痛
まとめ&おわりに
文字にすれば
「頭が痛む」という症状ですが、
たくさんの原因があることが分かります。
現代医学のアプローチと
漢方のアプローチと、
いいところを合わせて
症状の改善につながるとイイなと思います。
再度お伝えしますが
やみくもに漢方薬を飲んでも
改善しない場合があります。
逆に、
不快な症状を強める場合もありますので
専門の漢方薬の先生のもとを
訪れることをおススメします。
その方が時間もお金も
余分に費やさなくても済みますよ。
●参考サイト●
https://www.nanbu.saiseikai.or.jp/search-symptom/brain/migraine/ 片頭痛・緊張型頭痛 横浜市南部病院
https://kanpo-tokyo.net/advice/%E9%A0%AD%E7%97%9B%E3%81%AE%E6%AD%A3%E3%81%97%E3%81%84%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97%E5%88%A5%E6%BC%A2%E6%96%B9/ 「頭痛と漢方薬」漢方専門 後楽堂薬局
https://www.nihondo.co.jp/philosophy/consultation/headaches/#:~:text=%E6%BC%A2%E6%96%B9%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E9%A0%AD%E7%97%9B%E3%81%AF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9,%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AESOS%E4%BF%A1%E5%8F%B7%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 「頭痛」薬日本堂株式会社
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/headach-kanpo-3974/#%E6%9D%B1%E6%B4%8B%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E7%9A%84%E3%81%AA%E9%A0%AD%E7%97%9B%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%AE%E6%8E%A2%E3%82%8A%E6%96%B9 「頭痛にお勧めの漢方薬」EPARK