いままで学んだのは
いわゆる「解剖生理学」といわれる
人間の身体
特に脳の機能について勉強し
まとめてきました。
ここからは
身体と心の関係を
心理学的に学んでいきます。
脳の機能と
心理学的過程について
研究する分野は
生理心理学や認知心理学と
呼ばれています。
感情が先? 身体の反応が先??
人間は悲しいから泣く
「感情が先に発生して、身体が反応するのか」
人間は泣くから悲しい
「身体が反応してから、感情が後から発生するのか」
つまり
「身体と心、どちらが先なのか」
という疑問について
身体の変化⇒感情の発生
末梢起源説(ジェームズ・ランゲ説)
感情が発生⇒身体の変化
中枢起源説(キャノン・バード説)
の2つが提唱されました。
これらの学説は
古典的ではあるけれど
その後の研究を大いに促進させました。
人間の心理的過程
心理的過程は、
人間の心の中で起こる
思考や感情の出来事を指します。
これらの過程は
見えないものであり、
直接的な証拠を得ることはできませんが
人間の行動や
反応に影響を与える
重要な要素です。
具体的な例を挙げながら
説明してみましょう。
例えば、
「テストの成績が悪かった時」の
心理的過程を考えてみましょう。
①知覚
テストの結果を見て、
自分の成績が悪かったことを
認識します。
この時点では、
まだ何を考えるかはわかりませんが
成績が悪かったことを把握しています。
②認知
成績が悪かったことを評価します。
例えば、
「なぜこんなに悪い点数なんだろう?」
「勉強が足りなかったのかな?」
といった考えが生じます。
ここで、
自分の成績に対して
感情や考えが結びついています。
③感情
評価した結果によって
さまざまな感情が生じます。
失望や悔しさ、不安などが考えられます。
これらの感情は
心の中で高まり、
行動にも影響を与える可能性があります。
④行動
悪い成績に対して
どのように対処するか
考える段階です。
学習法の改善や
先生に相談することなど、
さまざまな対処方法が
思い浮かぶでしょう。
例えば、
次回のテストの勉強時間を増やす
先生に質問するなどの
行動が考えられます。
このように
心理的過程は一連の出来事であり
自分の思考や感情が
行動に影響を与えるプロセスです。
心理的過程を理解することで
自分自身や
他人の行動や感情をより深く理解し
より良い対応ができるようになります。
感情に関する脳と神経
①記憶に関する機能を司る海馬では
過去に知覚した出来事と
今、この瞬間に
各感覚器官から伝えられた
知覚情報を比較参照します。
②海馬での処理を終えた近く情報は
扁桃体(扁桃核)に送られ、
快・不快のどちらかに判断・評価をしています。
③不安・恐怖などの
ネガティブな感情が生起すると
その情報は、視床下部へ送られます。
この扁桃体は
不安や恐怖によって
活性化することが知られており、
社会不安障害の患者さんが
人前でスピーチをするという
不安・恐怖を感じる状況下で
扁桃体の状況を調べたところ、
扁桃体の血流が増加して活性化しており、
しかもその血流増加の様子は
患者さんの感じる
恐怖の度合いによって
変わるということがデータで示されています。
つまり扁桃体は
不安や恐怖といった感情に
大きくかかわっている器官であるといえます。
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