「最近、なんだか疲れやすい」
「イライラして眠れない」
「肌が乾燥してカサカサする」
—— そんな不調を感じることはありませんか?
普段、パンや麺類として親しまれている
「小麦」ですが
実は薬膳の世界では
心と体のバランスを整える
素晴らしい食材のひとつとされています。

食事をちょっと見直すだけで
心身の不調を
和らげる手助けになるかもしれません。
今回の記事では
小麦の薬膳的な効果や注意点について
詳しくご紹介します。
毎日の食事に上手に取り入れ
健やかな毎日を目指しましょう。
薬膳的「小麦」の効果効能
【五味】:甘味
【五性】:涼性(体を穏やかに冷ます)
【帰経】(作用する臓腑):心、脾、腎
小麦は甘味を持ち
心と脾(胃腸)、腎に作用します。

特に、体の熱を鎮めたり
精神を安定させたりする働きがあるため
ストレスが多い現代人にとって
心強い食材です。
小麦の薬膳的効能
養心安神(ようしんあんしん):心を落ち着かせる
イライラや不安感
不眠などを和らげる働きがあります。
特に「浮小麦(ふしょうばく)」と呼ばれる
小麦の皮を取り除いたものは
精神安定効果が高いとされ
心を穏やかにする食材として活用されます。
生津止渇(せいしんしかつ):体内の潤いを補う
体内の水分を補給して
乾燥を防ぐ働きがあります。
口の渇きや肌の乾燥
便秘などの症状に悩んでいる方には
特におすすめです。
健脾和中(けんぴわちゅう):胃腸の働きを助ける
胃腸の働きを整え、消化を助けます。
特に、脾胃(消化器系)が弱く
食欲不振や消化不良を
起こしやすい方に適しています。
除煩熱(じょはんねつ):更年期障害やストレスによる症状を和らげる
更年期障害による
ほてりやイライラ
ストレスからくる不調を
改善する働きがあります。
体調別「小麦」の薬膳レシピ
ストレスや不安を和らげる「小麦と黒ごまの薬膳クッキー」
小麦粉(全粒粉がおすすめ):100g
黒ごま:大さじ2
きび砂糖:30g
菜種油(またはココナッツオイル):大さじ2
豆乳:大さじ2
ベーキングパウダー:小さじ1/2
①ボウルに小麦粉、黒ごま、きび砂糖
ベーキングパウダーを入れて混ぜる。
②菜種油と豆乳を加え、全体をひとまとめにする。
③生地を薄く伸ばし、型で抜くか、包丁でカットする。
④170℃のオーブンで15分ほど焼いたら完成。

黒ごまは血を補い
心を落ち着かせる働きがあります。
小麦と組み合わせることで
ストレスや不安を
和らげる効果が期待できます。
乾燥対策に「小麦と豆乳のもっちり蒸しパン」
小麦粉(全粒粉):100g
豆乳:100ml
きび砂糖:大さじ2
ベーキングパウダー:小さじ1
ハチミツ:小さじ1
ごま油(またはココナッツオイル):小さじ1
①ボウルに小麦粉、ベーキングパウダー
きび砂糖を入れて混ぜる。
②豆乳、ハチミツ、ごま油を加え
さっくりと混ぜる。
③型に流し入れ、蒸し器で15分ほど蒸す。
④竹串を刺して生地がつかなければ完成。

豆乳と小麦の組み合わせは
体に潤いを与え
乾燥による不調を和らげます。
しっとりともっちりした食感で
おやつにもぴったりです。
胃腸を整える「小麦と山芋の消化促進スープ」
小麦:大さじ2
山芋:100g(すりおろす)
昆布だし:500ml
塩:少々
①小麦を軽く炒る。
②昆布だしを沸かし、小麦を入れて弱火で10分煮る。
③すりおろした山芋を加え、塩で味を調えて完成。

山芋の消化促進作用と
小麦の健脾作用で
胃腸の調子を整えます。
小麦を取り入れる際の注意点(特に女性の方へ)
小麦は薬膳的に
多くの効能がある優れた食材ですが
体質によっては
注意が必要な場合もあります。
特に、以下のような傾向がある方は
意識して取り入れましょう。
1. 冷え性の方
小麦は「涼性」であり
体を冷やす性質があります。
特に冷え性の方や
生理痛が重い方は
食べ過ぎに注意が必要です。
温性の食材(シナモン、しょうが、ねぎなど)と
一緒に調理することで
バランスを取るのがおすすめです。
2. むくみやすい方
小麦は水分代謝を促す一方で
体質によっては
余分な水分を溜めやすくなることもあります。

特に「湿(しつ)」が体に溜まりやすいタイプの方は
控えめに摂ると良いでしょう。
3. グルテン過敏症・小麦アレルギー
薬膳的な視点とは異なりますが
現代では「グルテン不耐性」や
「小麦アレルギー」を持つ方も増えています。
グルテンは小麦に含まれるたんぱく質で
腸に炎症を起こしやすく
消化不良や腹部の張り
慢性的な疲労感
肌荒れなどの症状を
引き起こすことがあります。
グルテンを含まない雑穀
(米、あわ、きび、ひえなど)を使えば
薬膳の考え方を生かしながら
体質に合ったレシピが可能ですよ。
4. 妊娠中・産後の方
妊娠中や産後は
特に体の冷えを避けたい時期です。
冷やす性質のある小麦は
温める食材や調理法と組み合わせて使うと
安心です。
また、豆乳や黒ごまなど
女性にうれしい栄養素を含む食材との
相性も良好です。
まとめ&おわりに
小麦は私たちの食生活に
欠かせない身近な食材ですが
薬膳の視点から見ると
心を落ち着かせたり
体を潤したりと
多くの効能を持つことがわかります。
ただし
体質に合った摂り方を意識することが
重要です。

特に女性は
冷えやホルモンバランスの影響を受けやすいため
自分の体調や
体質に合わせた調理法や
食材の組み合わせを
工夫してみてください。
日々の食事に上手に取り入れ
心と体のバランスを整えていきましょう。⸜(*ˊᗜˋ*)⸝