勇気づけプログラム『STEP』:「また怒っちゃった…」を減らすためにできる、小さな“心の準備”

朝のバタバタ
夕方のグズグズ
寝る前のひと悶着

 
 
 

「もう、なんでそうなるの!?」
「早くしてって言ってるでしょ!」
そして寝静まったあとに
「ああ、また怒っちゃった」
と自己嫌悪💦

 
 
 

こんなふうに、子どもに対して
つい感情的になってしまう経験は
どんな親にもあるのではないでしょうか。

 
 
 

でも、それは
“親としてダメ”なのではなく
「がんばっている証」

 
 

今回は、そんな日々の中で
怒りを少し減らすためにできる
「小さな“心の準備」について
具体的な例を交えてお話ししていきますね。

怒りの裏側にあるのは「思い通りにしたい気持ち」

アドラー心理学では
私たちの感情や行動には
“目的”があると考えます。

怒りとは
「ただ湧き上がってくる厄介な感情」ではなく


「こうしてほしい」
「こうあるべき」という
期待が満たされなかったときに出てくる
サイン
なのです。

 
 
 

たとえば

早く準備してって言ったのに、まだテレビ見てる!

片づけてって何度言わせるの!

そんな怒りの背景には

ちゃんとしてほしい

私の言うことを聞いてほしい

という、無意識の“願い”が
隠れていることがよくあります。

 
 
 

私たちが怒ってしまうとき
そこには
「こうあるはず」「こうすべき」という
無意識の期待があるということに
気づいてあげることが
とても大切なんです。

怒りの前にできる“小さな心の準備”とは?

では私たち親が
感情が爆発する前にできることは
何でしょう?

 
 
 

それが「小さな心の準備」です。

 
 
 

ここでは、アドラー心理学の視点から
実際の子育て場面を交えて
3つの視点をご紹介します。

① 「うまくいかない時間もある」と想定しておく

例:朝の支度の場面

・子どもがなかなか着替えない
・時間がないのに
・ゆっくり朝ごはを食べている
 
そんな朝のあるある場面

毎朝
「早くしなさい!」が口ぐせになっているという方
多いのではないでしょうか。

 

でも、子どもはまだ
「時間を見ながら行動する力」が未発達

📌“心の準備”は「ゆとりの見積」から
  「この子は、きっと今日もゆっくりペースだろうな」
  「5分〜10分、予定より多めに見ておこう」

大人の私たちでも
「今日はやる気が出ないな…」
という日があるように
子どもにだって波があります。

「スムーズにいかないこと=失敗」ではありません。
この“ゆとりの見積もり”があるだけで
「なんでまだ!?」と感情が爆発する手前で
心にクッションが生まれます。

② 「この怒り、本当に必要?」と立ち止まるクセをつける

例:片付けをしないとき

「またおもちゃ出しっぱなし!」
「なんで毎回言わないとできないの!?」

つい怒りたくなる場面ですが
その前に
ほんの少しだけ立ち止まってみましょう。

この子は“できない”のかな?それとも“したくない”のかな?

私はこの場面で、何を伝えたいんだろう?

📌ひとこと対話をしてみよう
  「もう遊びたくないかな?それともまだ続けたい?」
  「どこから片付けたらやりやすい?」
  「片付けるタイミングを一緒に決めようか」

 と“行動の目的”を考えることで
伝え方が変わります。

目的を「怒ること」ではなく
「伝えたいことを伝える」に切り替えると
関係性が対立から対話へと変わります
 
子供からの協力を得ることにつながります。

③ 自分の“疲れ”や“余裕のなさ”に気づいておく

例:夕方のぐずりタイム

保育園や学校から帰ってきた子どもは
疲れていて
こちらも家事や仕事でヘトヘト

 
夕方の忙しい時間では
夕飯作り、宿題の確認、明日の準備…
 

やることが山積みの中で
子どもが「やだ〜」「やりたくない〜」とグズグズ💦

 
つい、「もう!なんで今なの!?」と怒鳴ってしまう

「今日は自分も疲れてるな…」
「夕方はうまくいかないことが多い時間帯だよな」
と、自分の状態を先に認めておくことで
感情の波に飲まれにくくなります。

📌怒る前に「セルフチェック」
  「私、今どれくらい余裕があるかな?」
  「今日、ひと息ついた時間あったっけ?」

親自身が満たされていないと
他者(=子ども)に優しくなるのは難しいものです。
 
“余裕がないから怒ってしまった”と気づけるだけで
「私ってダメだな…」という自己否定から
「ちょっと休もうかな」という自分へのやさしさに変わります。

自分の中に
「今ちょっと余裕がないだけ」と気づくことが
優しさへの第一歩ですよ。

怒ってしまったあとも、自分を責めないで

どんなに準備をしても
感情が爆発してしまうときはあります。

 
 
 

それは人間として当たり前のことです。

 
 
 

大切なのは
「そのあとに、どうするか」です✨

🌿「ああ、今日も怒っちゃったけど、次は落ち着いて試してみよう!」
🌿「これで上手くいったのかな?? 
   反応をみて次は別のやり方にしてみようかな」
そんなふうに、自分に優しく声をかけてあげてくださいね。

次はもっと上手くいく!
そう自分を信じることも大切なことです✨

おわりに:怒りは「出ちゃいけない」ものではなく、「付き合い方」がカギ

怒りが湧くのは、自然なこと。

でもその怒りに飲み込まれず
「どう向き合うか」が変わるだけ
子どもとの関係も
自分自身との関係もぐっと楽になります。

 
 
 

子育ては、予想外のことの連続です。
「怒らないようにしよう」と意識するよりも
「怒りそうな自分に気づける力」を
育てていくことのほうが
ずっと現実的で、やさしい道のり
だと思います。

 
 
 

そしてこの“心の準備”は
特別なスキルではなく、
日々のちょっとした気づきや
習慣にしていけるものです。

 
 
 

「怒らない親」ではなく、
「怒りに気づいて立ち止まれる親」でいられるよう

どうか、ひとつ深呼吸を😮‍💨

そして、小さな“心の準備”を
大切にしていけるように、
今日も小さな一歩を
大事にしていきましょう🍀