はじめの薬膳:春から初夏が旬!「そら豆」の魅力と体調に合わせた食べ方

春風が心地よく吹き抜ける季節
八百屋さんの店先で
ふっくらとした莢(さや)に包まれた
「そら豆」を見かけると
なんだかウキウキしてしまいますよね。

 
 
 

莢を開けると
淡く鮮やかなグリーンの豆が…🫛

 
 
 

実はこの「そら豆」
薬膳の世界では
春から初夏にかけての体調管理に
とても役立つ食材とされています。

 
 
 

今回はそんなそら豆の薬膳的効能や
他の豆との違い
下ごしらえのコツなどをご紹介します🫛

薬膳的「そら豆」の効果効能

【五味】:甘味
【五性】:平性(温めも冷やしもしない中庸の食材)
【帰経】(作用する臓腑):脾、胃

「補益作用=身体を補う力」
があることを意味しています。

そら豆は主に
「脾」と「胃」に作用するとされ
胃腸の働きを整えながら
エネルギーの源である気を養う効果
が期待できます。

健脾益気(けんぴえっき)

胃腸の働きを高め
気力・体力を補います。

利湿消腫(りしつしょうしゅ)

体内の余分な水分を排出し
むくみを改善します。

補腎固精(ほじんこせい)

腎をやさしく補い
足腰の衰えや老化予防をサポートします。

「そら豆」は体力が落ちやすい春や
湿度が増えて
だるさを感じやすい初夏にぴったりの
穏やかな力を持った豆なのです。

他の豆とどう違うの?

薬膳では
豆類全般に身体を整える効果があるとされますが
それぞれ少しずつ個性があります。

小豆

では、

そら豆

健脾益気・補腎固精・利湿消腫
  →気と水分代謝にバランスよく働きかけてくれる
   とても優秀な豆です

また、そら豆は「平性」で甘味があり
体液(津液)を消耗しすぎず
体に穏やかに潤いを与えるとも言われています。

 

強い清熱作用はありませんが
潤いのある調理法や
他の食材と組み合わせることで
春から初夏の
軽い口渇やのぼせ感にも
対応しやすくなります。

体調別・そら豆をおいしく活かす薬膳レシピ

疲れやすく胃腸が弱い方に:そら豆とささみの養生粥

胃腸が弱くて
油っぽいものや冷たいものが苦手な方には
おかゆが一番。

そら豆は消化にやさしく
ささみと一緒にお粥にすると
胃腸がほっとする一品に。

 

体力が落ちているときや
気温差で疲れているときにおススメです。

作り方

1.そら豆は下茹でして皮をむく
2.ささみと一緒にお米とコトコト煮る
3.塩で味を調える

薬膳的ポイント: 健脾益気+補腎
  → 気力と消化力を養い、疲労回復や食欲不振に

ささみのたんぱく質も補気作用があり
そら豆との相性もバッチリです。

冷えやすく足腰が弱い方に:そら豆とエビの香味炒め

腎の力が弱ると
冷えや足腰のだるさ
疲労感が出てきます。

エビは温性で腎を補う食材

  

そら豆と一緒に炒めると
香ばしさと栄養のバランスが
絶妙な一皿に✨

薬膳的ポイント: 補腎固精+健脾
    → 冷えやだるさを内側から改善

おいしく食べるための下ごしらえポイント

そら豆を美味しく
かつ
薬膳的にも効果的にいただくためには
いくつかの下ごしらえのコツがあります。

皮をむくことで消化力アップ

そら豆の外皮はやや厚く
特に消化力の落ちている方には
負担に
なることがあります。

 

さやから取り出した豆に
熱湯をさっとかけると
薄皮がむきやすくなります。

薬膳的にも、
“脾胃を傷めないように調理する”という配慮
とても大切です。

茹で時間は短く、風味を逃がさない

そら豆は火が通りやすいため
塩を加えた熱湯で
1〜2分さっと茹でるだけでOK

 

茹ですぎると風味や
ビタミンB群などの栄養も逃げてしまうため
短時間加熱が基本
です。

焼き・蒸しもおすすめ

莢ごとグリルやオーブンで焼くと
豆の甘みがぎゅっと凝縮され
食感もしっかり残ります。

蒸すことで栄養が逃げにくく
しっとりと仕上がるのも魅力です。

 

どちらも余計な水分を加えず
薬膳的には
“脾を冷やしにくい調理法”
とされています。

香味野菜や薬味との組み合わせで相乗効果

生姜やネギ、シソなどと組み合わせると
そら豆の甘さと香りが引き立ち
また胃腸を温める働きもプラス
できます。

 

冷えや湿気が気になる季節には
ぜひ意識して取り入れてみてください。

まとめ&おわりに

春から初夏にかけての「そら豆」は
季節の変わり目に乱れやすい体調を
整える薬膳食材のひとつ
です。

🫛「健脾益気」「補腎固精」で元気と生命力をチャージ
🫛「利湿消腫」でむくみや体内の湿気を排出
🫛甘平の性質により、身体に穏やかな潤いも与えてくれる

他の豆とは異なり
「そら豆」は身体にこもった
“余分な熱”を強く冷ますわけではありませんが
潤いを保ちつつ気と腎を補う
やさしいサポート力が魅力
です。

 
 
 

「なんとなく不調だけど、薬に頼るほどでもない」
「自然に体調を整えたい」
そんなときこそ、そら豆の出番✨

旬の恵みを
あなたの食卓に取り入れて
心と身体を整える春の薬膳を
楽しんでみてくださいね。