漢方の基礎知識:年明けの“なんとなく不調”は「腎」と「脾」から ― お正月疲れをやさしく整える、漢方と薬膳の知恵 ―

年が明け、日常が戻ってきた頃

 
 
 

「楽しかったはずなのに、体が重たい💦」
「疲れが抜けず、気力が出ない」

 
 
 

そんな“言葉にしにくい不調”を
感じていませんか?

 
 
 

病院に行くほどではないけれど
いつもの自分とも少し違う。

 

 
 

実はこの時期、
同じような感覚を抱えている方は
とても多いのです。

 
 
 

漢方では、
こうした状態を
年末年始の生活による体の使いすぎとして
自然な反応と捉えます。

中医学で見る「年明けの体の状態」

年末年始は
・ごちそうが続く
・夜更かししがち
・寒さで体力を消耗しやすい

 
 
 

と、体に負担がかかりやすい時期です。

中医学の視点で見ると
特に影響を受けやすいのが
「腎」と「脾」という
二つの働きです。

生命力の土台「腎」が疲れているサイン

「腎」は
成長・老化・生命力の源を担う臓腑

・寒さ
・睡眠不足
・気疲れ

が重なることで
腎のエネルギー(腎精・腎気)が
消耗しやすくなります。

 
 
 

冬は本来、
エネルギーを内に蓄える季節ですが
忙しさや生活リズムの乱れによって
知らず知らずのうちに
その力を使いすぎてしまいます。

すると

・疲れやすい
・冷えを感じやすい
・やる気が出ない
・朝がつらい

といった不調が現れやすくなります。

食べ過ぎで「脾」もお疲れ気味に

一方の「脾」は
食べたものを消化・吸収し
「気」や「血」を作る臓腑

体を動かすエネルギーを
作る役割を担っています。

 
 
 

お正月の食べ過ぎや
脂っこい食事が続くと
脾は休む暇がなくなり

・胃もたれ
・お腹の張り
・体の重だるさ
・眠気

といった
“消化疲れ”のようなサインが出てきます。

年明け養生の基本は「腎を補い、脾を休ませる」

この時期の養生で大切なのは
とてもシンプル。

✔ 使いすぎた「腎」をやさしく補う
✔ 頑張りすぎた「脾」をしっかり休ませる

「デトックスしなきゃ」
「リセットしなきゃ」

 
 
 

と頑張るよりも

 
 
 

「整えて、養う」という視点が
実は回復への近道になります。

 
 
 

無理なデトックスや
急な食事制限は必要ありません。

今日からできる、漢方的セルフケア

冷やさないことを最優先に

「腎」は冷えが苦手。

 
 

首・腰・お腹・足首を温めるだけでも
体はほっとします。

・湯船につかる
・白湯を飲む
・夜更かしを控える

どれも、立派な漢方的養生です。

食事は「軽く・温かく・腹八分」

脾を休ませるためには
食べすぎないこと
よく噛むこと
が何より大切。

 
 

「体に良いものをたくさん食べる」より
脾が楽に働ける食べ方
意識してみてください。

七草粥だけじゃない、日常でできる簡単薬膳

七草粥は
年明けにぴったりの養生食ですが
毎日続けるのは少し大変ですよね。

 

 

そこで、
普段の食卓に取り入れやすい薬膳を
ご紹介します。

山芋のすり流しスープ  

山芋は、胃腸を助けながら
体力を補ってくれる心強い存在。

 

温かいスープにすると
消化もしやすくおすすめです。

◆ 材料(1〜2杯分)◆

・山芋(長芋)……約5〜6cm
・だし(昆布だし・かつおだし)……200ml
・塩 …… 少々
・薄口しょうゆ(または白しょうゆ)……数滴
・生姜(すりおろし・チューブ可)……少々
  ※体を冷やしたくない時は、生姜はぜひ入れてください。

◆ 作り方◆

❶山芋は皮をむき、すりおろす
❷鍋にだしを入れて温める(沸騰させない)
❸火を弱め、すりおろした山芋を
 少しずつ加えて混ぜる
❹とろみが出たら
 塩・しょうゆで軽く味を整える
❺器に盛り、生姜をのせて完成
  ※加熱しすぎると食感が変わるので
   温める程度がポイントです。

◆ 体調に合わせたアレンジ◆
・疲れが強い時 → 白すりごまを少しプラス
・冷えが気になる時 → 生姜を多めに
・回復期に → 卵黄を落として、さらに滋養アップ

「頑張らない養生」が、体を立て直す

年明けは
「今年こそちゃんとしなきゃ」
と力が入りやすい時期

 
 
 

でも中医学では
疲れている時ほど
養うことを優先する
と考えます。

 

 

 

今感じている不調は
体からの
「少し休ませて」のサインかもしれません。

【保存版】腎と脾を養う「五味・五性・帰経」薬膳まとめ

年明けの体調管理では、
腎を補いながら
脾に負担をかけないことが大切
です。

 
 
 

ここでは、記事内で紹介した
食材を中心に
漢方の基本である
「五味・五性・帰経」から
働きを整理してきます。

食材五味五性帰経期待できる働き
黒豆腎・脾腎を補い、疲労回復をサポート
山芋(長芋)脾・肺・腎胃腸を助け、体力を補う
白米脾・胃脾を養い、気を生む基本食
大根辛・甘肺・胃消化を助け、食べ過ぎをリセット
生姜脾・胃・肺体を温め、冷えを防ぐ
だし
(昆布・鰹)
温〜平腎・脾滋養し、回復力を支える
年明け薬膳の共通ポイント💡

・甘味をベースにして「補う」
・冷やさないために平性〜温性を選ぶ
・煮る・温めるなど、消化にやさしい調理法を意識する

まとめ&おわりに

年明けの“なんとなく不調”は
体からの
「少し休ませてほしい」というサイン。

 
 
 

漢方では
腎の疲れと
脾の使いすぎが
重なって起こりやすいと
考えます。

 
 
 

・冷やさない
・食べすぎない
・温かく、消化のよい食事を選ぶ

 
 
 

この3つを意識するだけで
体は少しずつ
本来のリズムを取り戻していきます。

 
 
 

新しい一年を元気に過ごすために
まずは年明けの体を
やさしく整えるところから始めてみませんか🌿