漢方の基礎知識:あなたの腰痛はどのタイプ?

昔は「腰が痛い」というと
年齢を感じましたが、
最近では
年齢に関わらず起こる症状だと
言われていますね。

  
  
  

ギックリ腰のような
急性症状もあれば、
慢性化して
痛みやだるさが長引く症状も。

  
  
  

加齢や負荷による
筋肉や骨・椎間板・神経などの異常が
腰痛の原因として
最も多い
と言われています。

  
 
  

また、精神的ストレスによる
心因性の痛みも

若い人を中心に増えている
ようです。

  
  
  

私も精神的な疲れや
肉体疲労が重なると
腰痛が出てくるタイプ。

  
  
  

まさにムスメの受験・進学
そしてムスコの三者面談が重なって
久々に腰痛とともに生活しています💦

  
  
  

今回は「腰痛」

  

漢方の視点から
原因と対策方法みていきたいと思います。

漢方で見る「腰痛」とは

漢方では、
腰は『腎の腑(あつまるところ)』といい
腎の精気が集まり
腎の影響を受けやす部位
です。

また、腰には
からだの栄養となる「気」や「血」が流れる
経絡や血管が
たくさん集まっている部位
でもあります。

  
  
  

上記を踏まえて漢方では
腰痛に
3つの大きな要因があると考えています。

①冷えや湿気などの『寒湿(かんしつ)』

冷えや湿気などの
寒湿の邪気が体に侵入すると
腰部の血流や
経路の流れが阻害
され
水分代謝も悪く

腰痛が起こるとされます。

  

冬の寒さや
夏の強すぎる冷房、
梅雨の湿度の高さなどが
原因となって
症状が出てくることがあり
天候が悪くなると
さらに悪化する
ことあります。

  

重だるい痛みや
腰から下肢への疼痛を伴い
温めると楽になるのが特徴です。

  

また腰だけではなく
関節や筋肉にも
痛みが生じやすく
なります。

  

水分の代謝が悪くなることによる
むくみなどの症状を
ともなう
こともあります。 

② 加齢や消耗による『腎虚(じんきょ)』

『腎虚』とは
腎の精気「腎精」が不足している状態
のことで
長引く腰痛の原因のほとんどは
腎虚を伴います。

  

特に加齢により
腎精は減少するため、
高齢者に
よくみられる症状だとも言えます。

腎虚による腰痛は
体を動かした際に痛みが強まり
息切れや重だるさ
めまいや耳鳴り
も起こりやすく
慢性化しやすいという特徴
もあります。

  

腎は骨を司るため
悪化すると
骨粗鬆症など
骨の病気へ進んでしまうこともあります。

  

加齢によっての腎精不足だけでなく
若くても疲れると
腰痛が悪化する場合や、
腰に力が入らない痛みを伴う場合は
腎虚が原因だと考えられます。

若い人の腎精不足の原因とは?

 睡眠不足や疲労過多
 偏食などで
 腎精が不足する
 腎虚の状態が考えられます。

③ 気血が滞る『気滞血瘀(きたいけつお)』の腰痛

漢方では、
痛みが起こる原因のひとつとして
「不通則痛(ふつうそくつう)」
という考え方があります。

悪い姿勢
運動不足
外傷
過度なストレスなどによって
経絡内の「気血」の流れが滞るため、
腰の筋肉や骨・関節に
十分な気血を届けることが出来なくなって
「痛み」が発症する
と考えられます。

 

このような腰痛は、
起床時に痛みが強く
体を動かすと緩和
するという
特徴があります。

  

女性の場合は
腰痛の他に生理痛
便秘
肌のくすみなどを
ともなうことがあります。

  

また腰を触るとしこりがあり
刺すような強烈な痛みを伴う場合は
「血瘀(けつお)」と呼ばれる
血の滞りが原因だと思われます。

腰痛の対応策

腰痛は
腰に負担がかかりやすい日常生活とも
深く関係しています。

①身体を冷やさない

とにかく冷やさないようにすることが大切。

カイロや腹巻などで
物理的に身体を温めたり

余分な水分を排出するような
食生活の見直し

効果があります。

経絡を温め、寒さを散らす「温経散寒」の食材

 ・しょうが
 ・にんにく
 ・シナモン
 ・米
 ・ねぎ
 ・山椒など
を取り入れましょう

シャワーだけではなく
湯船に入ってリラックスしながら
身体の芯から温めることもイイですね。

②適度な運動やストレスの解消

現代では座り過ぎ
大きな問題となっています。

 

漢方では「久坐」ともいい
座り過ぎは
命を縮めるとも言われる
ほど。

  

デスクワークなど
仕事で座り続けることが多くなる合間にも
ストレッチをしたり
休憩時間に散歩をすると
適度な運動で筋力を付けつつ
ストレスを発散することが出来ますよ。

  

ウォーキングや軽い運動は
血流や
気の流れの改善にも役立ち
身体を温める効果も期待できます。

③腎の働きを助ける

腎虚の場合には
不足している腎精を
補うことも効果的
です。  

腎を補い腎気を養う「補腎益気」の食材

 山芋
 キャベツ
 豆類
 栗
 くるみ
 うなぎ など

ぜひ取り入れてみてくださいね。

睡眠により
腎精や腎気を補うことも出来る
ので
良質な睡眠の取れるよう
生活習慣を見直すことも大切です。

腰痛に効くツボ

腰痛に効くツボはたくさんありますが
なかでも有名なツボをご紹介します。

①委中(いちゅう)

「腰背に委中」と呼ばれるほど
有名で効果のあるツボです。

脚の後面、
膝を曲げると入る横シワの
ちょうど真ん中が委中です。

左右の脚対称にあります。

②腎兪(じんゆ)

両手を腰にあてたときに
親指があたる場所に
腎兪があります。
「腰が痛いな」と思った時
腰をトントンとたたく場所

そこが腎兪です。

③腰陽関(こしようかん)

気血の停滞を解消するツボです。

腰陽関のツボは腰の中央にあります。

骨盤の最も高いところを
左右で結んだ線と
脊柱(背骨)が交わる点にあります。

まとめ&おわりに

腰痛は
一般的な痛み止めや
湿布などの対処療法では
なかなか改善しない場合もあります。

  
  
  

原因を探っていけば
ご自身に合う対応策が必ずあります。

  
  
  

「年齢だから仕方がない」
と悲観しないで、
やれる対策をやってみましょう!

  
  
  

漢方の方法で腰痛が改善すると
他の不調も
同時に良くなることも多く
やってみる価値はありますよ。

  
  
  

必ず身体は応えてくれます✨

  
  
  

ただし、
内臓疾患が原因の腰痛もありますので
痛みが続く場合には
自己判断せず
まず診察を受けることも大切です。

  
  
  

漢方薬もたくさん出回っていますが
専門の漢方の先生に
正しく見立ててもらった方が
改善の時間も
お金も掛けなくて済むかと思われます。

  

 
  

今回の私の腰痛の原因は、
ストレスと運動不足。

  
  
  

解消すべく
生活習慣の見直しから
改善の方法を探ろうかと思います╭( ・ㅂ・)و ̑̑

●参考書籍・参考サイト●

 カラダを考える東洋医学 伊藤剛著 朝日新聞社出版
 https://kanpo-tokyo.net/advice/%E8%85%B0%E7%97%9B%E3%81%AE%E6%BC%A2%E6%96%B9%E5%AF%BE%E5%87%A6%E6%B3%95/ 「腰痛と漢方について」後楽堂薬局
 https://penguin-kanpo.com/symptom/index.php 「腰痛・関節痛」ペンギン薬局