漢方の世界から見た「生理痛」：痛みがあるのは、異常です。

耳慣れた言葉となりましたね
「生理痛」

最近では
生理をタブー視する風潮から大きく変わり

健康番組の話題にあがったり
会社や学校でも
議論できるようになり
憚らなくなってきているように感じます。

イイ変化ですね♪

生理痛は、普通ではありません。

下腹部に張りがあったり
体調がいつもと違う程度なら
だれもが感じる違和感かもしれません。

しかし、痛みがあるのは
異常です。

長い間私たちは

「生理は痛みがあって当たり前」
「生理は病気じゃない」とか

都合の良い言葉に
振り回されてきましたが

痛みのある生理は
異常なんです。

本来
生理は痛みがないのが、正常。

それはしっかり理解していきたいですね。

そもそも「生理痛」とは

生理痛には２通りあり

検査しても大きな異常が見つからない
「機能性月経痛」と

子宮筋腫や内膜症・腺筋症といった
女性病にともない起こりうる
「器質性月経痛」があります。

「不栄則痛」と「不通則痛」と「生理痛」

前回、痛みが起こる原因には
「不栄則痛」と「不通則痛」の
２つがあるというお話をしました。

参考

漢方の基礎知識：痛みから原因を知ろう！『痛みに問う』～「不通即痛」と「不栄即痛」

よゆう・しゃくしゃく

それを当てはめて考えてみましょう

生理直前～開始の痛み「不通則痛(ふつうそくつう)」

生理直前～開始から
強く感じられる痛みは
「不通則痛(ふつうそくつう)」であることが多いと思われます。
※注）すべての人に当てはまるわけではありません。

冷えやストレスが原因で
血管が収縮し
血流が悪くなっていることが
原因だと考えます。

また”子宮筋腫”による
周囲組織の圧迫や

”子宮内膜症”や”腺筋症”では
炎症によるむくみ・肥大などが
原因の可能性もあります。

生理後半の痛み「不栄則痛(ふえいそくつう)」

生理後半からの
しくしくと続く痛みは
「不栄則痛(ふえいそくつう)」であることが多いようです。

日常的な気血の不足や
身体を温める「陽気」の不足があると
月経の後半
子宮や周辺組織に
栄養や酸素が行き渡らなくなり
不足を訴えるしくしくとした痛みを
感じることがあります。

月経により血分が失われ
一種の栄養不足になっている状態です。

日常的な睡眠不足により
体力を消耗している場合や
無理なダイエットや
胃腸の不調などによる栄養不足も
大きな要因となります。

中医学における「生理痛」のタイプ

漢方の世界では
「生理痛」の原因を
5つに分類することが出来ます。

分かりやすく
まとめ直してみました✨✨

① 気滞血瘀(きたいけつお)タイプ

ストレスなどの精神刺激により
「気」の巡りが停滞して
血行不良となるのが原因です。

身体の中の「気」は
「血」を押し流す働きをしており
ストレスなどにより
「気」の流れがスムーズでなくなると
「血」までも滞るようになります。

② 湿熱阻滞(しつねつそたい)タイプ

体内に余分な水分と
熱が一緒に滞ることで
ドロドロ血となり
「血」の流れが停滞しやすくなります。

脂っこいものや
味の濃いものを食べ過ぎ
アルコールの飲み過ぎなどにより
老廃物が生まれ
「気血」の巡りが停滞するようになります。

③ 寒湿血瘀(かんぎょうけつお)タイプ

冷えにより「血」の巡りが滞り
痛みが起きやすくなります。

冷たいものや
生ものの食べすぎなど
身体を冷やすことにより生じます。

冷えは流れを滞らせる収斂作用があり
「血」の流れを停滞させてしまいます。

④ 気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ

身体のエネルギーとなる「気」や
体内に栄養を与える「血」の不足によって
血流が滞ることにより起こります。

過労や胃腸虚弱、栄養失調などにより
生理の基本となる「気」や「血」が不足すると
血管内を巡る物質がなくなるため
滞りが生まれやすくなります。

⑤ 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)タイプ

女性ホルモンの働きが低下して
子宮に栄養が行き届かず、
「血」の流れが滞ることによって
起こります。

虚弱体質、過労、加齢などにより
身体に必要な「気血」や
人体のエネルギー源である「精(せい)」を
消耗しているため
心身を栄養することができず
「血」の流れが停滞して
血行不良を招きます。

まとめ＆おわりに

漢方の世界では
生理痛を『痛経』と言います。

読んで字のごとく
「痛みのある月経」という意味です。

生理は痛みがないのが
正常であることが、
この言葉一つとっても分かりますね。

長い間、生理痛は
あってもおかしくないものだと
思っていました。

無いということが
むしろラッキーなくらい。

そうではなくて
生理痛があることが
異常であること。

どこか身体に
負荷がかかっているということ。

それを女性だけではなく
いろんな人に知ってもらえると嬉しいです。

心とカラダは繋がっています✨✨

特に婦人科の病気には
ストレスが
大きく関わっていると言われています。

「考えすぎてしまう」
「気持ちの切り替えが上手くなりたい」
「すぐに他人と比べてしまう」

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