勇気づけプログラム「STEP」:答えが出ないことに耐える力 子育てに活かす「ネガティブ・ケイパビリティ」

たとえば

・子どもが泣き止まないとき
・思春期のわが子が
 心を閉ざしてしまったとき

 
 
 

「どうしたらいいのか分からない…💦」
そんな場面に
親であれば一度は
直面するのではないでしょうか。

 
 
 

私たちは、問題が起きると
「すぐに答えを出さなくては」と
焦ってしまいます。

 
 
 

解決策を見つけられない自分に
苛立ちや不安を感じることもあるでしょう。

 
 
 

でも実は
「わからないままにしておくこと」
「結論を急がずにじっと耐えること」
には、大きな意味があります

 
 
 

今回はそんな
“答えの出ない状態にとどまる力”である
ネガティブ・ケイパビリティ
について
子育て世代の方に向けて
お話ししたいと思います。

ネガティブ・ケイパビリティってなに?

ネガティブ・ケイパビリティ(Negative Capability)とは
イギリスの詩人ジョン・キーツが使った言葉で
「不確かさや曖昧さ、解決のつかない状況に耐える能力」
と訳されます。

たとえば
・子どもが突然「学校に行きたくない」と言い出したとき
・パートナーとの価値観が合わず、話し合っても平行線のとき
・親としてどう対応するのが正解か分からないとき

こうした
「どうにもならない」
「はっきりしない」状態に耐え続けるのは
誰にとっても苦しいもの。

 
 
 

でも、ネガティブ・ケイパビリティは
この“答えが出ない”という不快さに
じっととどまり
無理に結論を出そうとしない姿勢
を指します。

すぐに答えを出そうとすると、心が疲れてしまう

子育ては「正解のない問い」の連続です。

 
 
 

泣いている赤ちゃんに
「どうして泣いてるの?」と聞いても
もちろん答えてはくれません。

 
 
 

思春期の子どもに
「話してごらん」と言っても
「別に」「ほっといて」と
返されることもあります。

そんな時
「すぐに解決しなきゃ」
「ちゃんと向き合わなきゃ」と
頑張りすぎてしまうと、
親自身が
どんどん追い詰められてしまいます。

 
 
 

でも、実は
「どうしていいか分からない💦」
という状態を無理に変えようとせず
そのまま受け止めていること自体が
大きな意味を持つのです。

子育てにおけるネガティブ・ケイパビリティの価値

ネガティブ・ケイパビリティを持つことは
親子の関係にも
穏やかな変化をもたらします。

 
 
 

たとえば、
子どもが悩みを話してきたときに
「こうすればいいよ」
とすぐにアドバイスをするのではなく
「うん、そうなんだね」と
そのまま聞いてあげる。

 
 
 

すると、子どもは
「この人は自分の気持ちを受け止めてくれる」
と安心し、
信頼関係が深まっていきます

 
 
 

あるいは、問題に直面したときに
「今はまだ答えが見つからなくても大丈夫」と
自分自身にも
許可を出せるようになると
気持ちに余裕が生まれます。

ネガティブ・ケイパビリティを育てることで
「今はわからなくても、
 そのうち見えてくるかもしれない」
と、心のどこかで
“流れに身を任せる力”が育っていくのです。

どんなふうに実践すればいいの?

では、実際に
ネガティブ・ケイパビリティを
日常の中でどう育んでいくのか。

 
 
 

ポイントをいくつかご紹介します💡

①「すぐに答えを出さない」と決める

問題が起きたとき
「とりあえず1日だけ待ってみよう」と
自分に言い聞かせるだけでも
OKです。

  

その間に、状況が変わることもあります。

②「分からないままでいる自分」を責めない

「私ってダメだな」
「ちゃんと子育てできてない」
と自分を責め始めたら

 

「今は見えていないだけ」
と言い換えてみてください。

誰にでも、分からない時期はあります。

③ 子どもにも「分からなくていい」と伝える

「どうしたらいいか分からない」
と悩む子どもには
「すぐに答えを出さなくていいよ」
と伝えてみてください。

親がそう言ってくれるだけで
子どもも気持ちがラクになります。

⚠️注意したいこと

ネガティブ・ケイパビリティは
「無関心」や「放置」とは違います。

「どうせ分からないから考えない」
「もう関わりたくない」
という姿勢とは違って

 
 
 

「分からないことにちゃんと向き合いながら
 あえて決めつけない」
ことが大切です。

 
 
 

また、長くその状態が続きすぎて
苦しくなってしまうときは
信頼できる人に話すことも忘れずに。


 
 

カウンセリングや
子育て相談の場を使って
少しだけ“わからなさ”を共有できると
心が軽くなります。

まとめ

子育てには
思い通りにならないことや
答えが見えないことが
たくさんあります。

そんな中で
「どうしていいか分からないままでも
 そこにとどまる力」
である
「ネガティブ・ケイパビリティ」

親にとっても
子どもにとっても
大切な支えになります。

 
 
 

すぐに答えを出さなくてもいい。
すぐに正解を探さなくてもいい。

 
 
 

迷いの中にいる時間そのものが
あなたと子どもにとっての
大切な対話の時間
かもしれません。

 
 
 

「今はまだ、わからない」

 
 
 

そんな気持ちに
そっと寄り添える日々でありますように(*˘︶˘*).。.:*♡