「ちゃんと挨拶しなさい」
「何度言ったらわかるの!」
子育てをしていると
つい口から出てしまう言葉たち
でもふと気づくと
自分自身は
朝の挨拶をおろそかにしていたり
イライラしながら注意していたり…
なんてこと、ありませんか?
アドラー心理学では
「子どもは親の背中を見て育つ」
という考え方を大切にします。
それは
「親がどういう人であるか」が
子どもにとっての
最大のメッセージになるからです。
なぜ親の行動が大切なの?
アドラー心理学では
人の行動は
「目的」を持っていると考えます。
これを「目的論」と言います。
子どもたちも
自分の世界を理解するという目的のために
日々観察をしながら学び取っています。
そして一番近くにいる大人
つまり「親の行動」を通して
「人とどう関わるのか」
「困ったときはどうするのか」
「生きるってどういうことか」を学んでいきます。
実際に親がどう考えて
行動して
生きているかが
子どもにとっての
一番最初の“教科書”なのです。
「背中を見せる育て方」とは?
「背中を見せる育て方」とは
子どもにあれこれ言って操作するのではなく
親自身が誠実に
丁寧に生きる姿を見せていくこと。
たとえば……
・自分から元気に「おはよう」と言う
・間違えたときには素直に「ごめんね」と謝る
・家族や友人との約束を大切にする
・落ち込んだときも、自分なりに立ち直ろうとする姿を見せる
こうした日々の小さな行動の積み重ねが
子どもにとって
「人としての在り方」のモデルになっていくのです。
「親の背中」が子育てに与える影響
アドラー心理学では
教育や子育てにおいて
「模範となる行動を示す」ことが重視されます。
子どもが親の行動を通じて
以下のようなことを学ぶためです。
価値観や信念を伝える
子どもは
親が日常生活で
どのような選択をするかを観察し
それを基に
自分の価値観を形成します。
誠実さ、努力する姿勢、他者への思いやりなど
行動の一貫性が信頼を生む
親が言葉と行動を一致させることで
子どもは親を信頼し
安心感を持ちます。

一方で、
親の言葉と行動が矛盾していると
子どもは混乱しやすくなります。
学びのプロセスを共有する
親が新しいことに挑戦し
学ぶ姿を見せることで
子どもも学ぶことの
重要性や楽しさを自然に感じ取ります。
アドラー心理学とのつながり
この考え方は
アドラー心理学のいくつかの”柱”にも通じています
「課題の分離」
子どもの行動は、子どもの課題。
親がすべきことは
「変えようとすること」ではなく
自分の態度や行動を整えることです。
「共同体感覚」
親が他者を大切にし
感謝し
協力しようとする姿は
子どもにも
“人とつながる心”を育てます。
「勇気づけ」
どんなときも
前向きに取り組もうとする親の姿勢は
子どもに
「自分にもできるかもしれない」
という勇気を与えます。
背中を見せるときのヒント
完璧を目指さなくて大丈夫!
むしろ、失敗したときにこそ
“学ぶチャンス”になります。
「ママも間違えちゃったな〜」
と笑える心の余裕が
子どもをほっとさせることもあります。
無理に「見せよう」としない
背中は、自然に見えてしまうもの。
演出よりも、“正直さ”が伝わります。

自分の背中を、自分で認めてあげる
「今日もがんばった」
「ちょっと疲れたけど、よくやった」
そんなふうに
自分の行動を大切にしていくことが
背中にあらわれていきます。
おわりに 〜まずは自分を整えることから〜
「子どもを変えたい」
と思ったときこそ、
親自身が
「自分はどんな背中を見せているかな?」
と立ち止まってみる
チャンスかもしれません。
大丈夫。
親だって完璧じゃなくていいんです
むしろ、葛藤しながらも
前に進もうとする姿が
子どもにとっては
いちばんリアルで
いちばん信頼できる「背中」になります。

親自身が成長を楽しみ
挑戦し続けることで
子どもにもその姿勢が伝わり
共に成長していくことができるでしょう。
今日から少しずつ
自分の背中を大切にしていきましょう。