先日の勇気づけプログラム「STEP」の
フォローアップ勉強会の中で、
「信頼」と「期待」の話題が出てきました。
お仕事の場において
信頼されるのはウレシイけど
期待をかけられるとプレッシャーを感じる
期待された後の、結果を思うと心配になる
なかでも、私がすごく共感させられたのは
信頼のない期待が一番ツラい💦
でした。
薄らぼんやりと考えていたことを
言葉にして具現化してくれた上
私と同じ思いをしていた人がいたことに
ひっそりと安心感を覚えました。
私だけじゃないんだってww
「STEP」の中でも
「子供に信頼していることを伝えましょう」
という表現は何度も繰り返し出てきます。
でも「期待」に対する記述は
ほとんど見当たらないんですよね。
「信頼」と「期待」は
どちらも人間関係において重要な要素であり
一見似た概念ですが
それぞれから発生する
心理的な影響や関係性には
大きな違いがあります。
「かける人」と「かけられた人」の
心理に注目し
それぞれの違いをまとめていきます。
「信頼」とは
「信頼」とは
相手の能力や態度、人柄などに対する
安心感から生じる感情や行動を指します。
アドラーは
「裏付けも担保もなく相手を信じること」
だと定義しています。
信頼をかける人の心理
安心感
相手が自分のことを理解し
支えてくれるという確信を持ち
過度な不安はありません。
尊重する気持ち
相手の判断や行動に対して
コントロールはせず、
任せようと尊重する気持ちがあります。
感情的つながり
相手の能力や人格を高く評価し
ポジティブな感情(尊敬、好意)が
多く感じられます。
リスク許容度
「信頼」はリスクを伴う行為であるため
万が一裏切られても覚悟があります。
信頼をかけられた人の心理
責任感
信頼されることで、
相手の期待に応えたい
裏切りたくないという気持ちを育みます。
結果として、関係性がより深まります。
プレッシャーの軽減
相手が自分を疑わず
本気で信じてくれることで
自由に動ける感覚があります。
自信の向上
他人から信頼されることで
やりがいを感じ
新しいことに挑戦したり
能力を伸ばしたりなど、
自己有効力感(自分にはできるという感覚)が
高まります。
「期待」とは
「期待」とは、
ある行動や特定の結果を生むことを望む
気持ちや態度を指します。
対人関係においては
他人が自分に対して何をしてくれるのか
「相手から与えられること」 を
当てにして心待ちにすることです。
期待する人の心理
欲求・願望
相手に対して
自分が望む結果を出して欲しいという
願望があります。
不安の気持ち
相手が期待に応えられなかった場合
どうしようという不安や妄想が
生じやすい傾向にあります。
条件付きの感情
期待が満たされると満足し
裏切られると
失望や怒りに変わりやすいです。
コントロール欲
相手を
自分の思い通りに動かしたいという
気持ちがある場合もある。
評価の視点
期待が叶うかどうかで
相手の能力や価値を測る傾向があります。
期待をかけられた人の心理
プレッシャー
期待されることが
重荷になる場合がある。
特に自分の能力に自信がない場合は
強いストレスをともなうことがあります。
結果主義的思考
期待に応えられなければ
評価が低くなる
あるいは信頼を失うと感じるため
結果に対して強い
プレッシャーを持つようになります。
束縛感
相手の期待に縛られて
「相手のために頑張らなければいけない」
と感じたり
自分のやりたいことができない場合は
「自分の自由が奪われている」
というストレスが生じます。
信頼と期待の心理の違いまとめ
信 頼 | 期 待 | |
本 質 | 相手をそのまま受け入れる姿勢 | 相手に具体的な結果を求める姿勢 |
焦 点 | 相手そのもの | 相手の行動や結果 |
感情の基盤 | 安心感、尊敬、受容 | 不安、願望、評価 |
関係性 | 平等・互恵 | 非対称・依存 |
リスク | 裏切られても覚悟がある | 裏切られると失望や怒りを感じる |
心理的影響 | 責任感や自信が生まれやすい 安定感、開放感 | プレッシャーやストレスを感じやすい 束縛感 |
信頼と期待、健全なバランスを育もう
信頼は
「ありのままの相手を受け入れる」
という感情から生まれ、
期待は
「こうあってほしい」
という願望が基盤になります。
一方的な信頼や過度な期待は
関係性を悪化させることになりかねません。
信頼と期待、
どちらを重視するかで
関係性の質も大きく変わり、
人間関係を形成するためには
バランスが重要になってくると考えます。
相手の意見をお互いが聞き入れる
互いに正直に自分の気持ちを伝え
相手の話を聞く姿勢を見せることが
大切です。
相手の話を遮らず
最後まで聞き
共感の言葉をかけるなど
相手の視点から
物事を考えるように努めましょう。
相手の言っていることを
深く理解するために
質問をすることも有効な手立てです。
期待値を調整する
相手の能力や状況を考慮し
現実的な期待値を持つことが重要です。
無理な期待をかけてはいけません。
高すぎる期待は
相手にプレッシャーを与え、
不安感を押し付けることになりかねません。
逆に低すぎる場合は
「これくらいしか自分は出来ないと思われているのか…」と
自分の能力を過小評価し
自己肯定感が低下する可能性があります。
達成可能な目標を設定し
モチベーションの維持に重点を置きましょう。
そのためにも
相手の能力や状況を具体的に評価し
期待値を設定し
それらを共有することが大切です。
具体的に伝える
あいまいな言葉や抽象的な言葉ではなく
具体的な言葉で伝えることで
誤解を生まないように心がけましょう。
相手に何を期待しているのかを明確に伝え
必要ならフィードバックをし
改善点があれば一緒に考えるなどの
工夫も必要です。
開かれた雰囲気を心がける
相手がいつでも
気軽に話しかけられるような雰囲気を作り
信頼関係を築いていきましょう。
相手を信用できなければ
本音を言えなかったり
相手の意見を
素直に受け入れられなかったりするからです。
批判的な言葉や否定的な言葉は避け
相手の価値観を尊重し
自分の価値観を押し付けないように心がけます。
相互に意見交換をし
建設的により良い解決策を探ることも
効果的ですね。
まとめ
「信頼」と「期待」
理解したうえで
上手に使うことが出来ていますか?
「信頼」は
長期的で安定した関係性を育む傾向があります。
信頼されることで
相手も自然と期待に応えようとし
より良い循環が生まれます。
「期待」は
短期的な目標達成には効果がありますが
一方的すぎると
関係性を壊すリスクがあると考えます。
特に、期待に応えられない場合に
負の感情が
大きくなることが問題になってきますね。
信頼関係が築かれていると
期待もプラスに働き、
関係性をより深めることができるように思えます。
信頼を基盤に
適切な期待を伝えることで
子供はもちろん部下や同僚とも
より良好な人間関係を築いていきましょう!