はじめの薬膳:心と体をふんわり癒す「レタス」の薬膳効果 〜疲れた私に効く“やさしい処方箋”~

春から初夏にかけて
ふんわりと軽やかなレタスが
食卓を彩る季節。

 
  
   

サラダの定番として
親しまれているレタスですが、
薬膳の視点で見てみると
実はとても頼もしい“癒しの野菜”なのです。

最近、寝つきが悪くて……

疲れやすいし、なんとなく気分が落ち込む…

体がほてって、イライラしやすい

そんな女性にこそ知ってほしい
レタスの薬膳的な効能について
今回は詳しくご紹介します。

薬膳的レタス(生食)の効果効能

【五味】 苦/甘味
【五性】 涼性
帰経】:肝・胃
【効果効能】
  ・体の余分な熱を冷ます
  ・むくみの解消、利尿作用
  ・母乳の出を良くする
  ・血を補い、巡りを良くする
  ・胃腸を健康にし、便通を改善させる

「甘味」は体を和らげ滋養する
「苦味」は清熱し
体内の余分な熱や
湿気を取り除く作用があります。

 
 
 

レタスの持つ「涼性」は
体にこもった熱を冷まし
鎮静する働き
があります。

 
 

「帰経」である肝と胃
それぞれ自律神経や
感情のコントロール
消化吸収を担う大切な臓腑。

 
 
 

レタスはこれらにやさしく働きかけ
心と体のバランスを
整える手助けをしてくれます。

レタスの「補血」と「清熱爽神(せいねつそうしん)」の力

補血(ほけつ)

薬膳的にレタスの大きな特徴のひとつが
「補血(ほけつ)」の作用です。
 

補血とは、血液を養い
体と心を支える力を補う
こと。

 

特に女性は
生理や出産、ストレスなどで
血を消耗しやすく
「血虚(けっきょ)」という状態になりがち
です。

 

血虚になると

・顔色が青白くなる 
・めまいや立ちくらみがある 
・不眠や不安感が強くなる 
・髪や肌の乾燥 
・生理不順

といった症状が現れます。

 

そんな時におすすめしたいのが
レタスのような補血作用のある野菜

 

原料が血である母乳の出を良くするため
出産後の新米お母さんにもおススメですよ。

清熱爽神(せいねつそうしん)

さらに、レタスには
「清熱爽神(せいねつそうしん)」という
効果も期待されています。

  

これは

・体内の熱を冷まし(清熱)
・心を穏やかにして精神を明るくする(爽神)

という意味。

  

つまり、
レタスはただ体を冷やすだけでなく
心のモヤモヤやイライラ
不安感を静めてくれるという
心強い作用があるのです。

レタスは不眠対策に効果的

「ピーターラビット」の
お話をご存じでしょうか?

  
  
  

ピーターはレタスを盗み食いして
眠気に襲われ
危うく人間に捕まりそうになる
シーンがあります。

その他にも
「長時間の運転前には
  レタスを食べるな!」という
格言があるほど浸透しています。

  
  
  

古今東西を問わず
レタスには催眠効果があることが
知られているんですね。

  
  
  

新鮮なレタスの芯を切った際に
乳白色の乳液状のもの

目にしたことはありませんか?

これは
「ラクッコピコリン」という苦味成分

  
  
  

鎮静・催眠効果があるため
不眠予防効果が期待
できます。

中医学的にみると

中医学では、
不眠の原因は「心血の不足」や「肝の熱」
「陰虚火旺(いんきょかおう)」
などにあると
考えられます。

 

 

血が不足していると
心が落ち着かずに眠れなくなり
肝に熱がこもっていると
怒りっぽくなったり
緊張が取れなくなってしまいます。

 
 

レタスはこのような状態に対して
「補血しつつ、清熱して肝を鎮め、心を養う」ことができる
まさに心身をリセットするような食材

 
 

そのため、
夜にスープや温野菜として食べると
深いリラックス感と
安眠を得られることがあります

中国では古くから
レタスを使った
不眠対策の養生レシピが伝えられてきました。

 
 

「清心安神(せいしんあんしん)」
=“心を清めて、安らかにする”という目的で
レタスのスープやお粥は
とても重宝されてきたのです。

  
 

レタスを調理するときは
芯も捨てずに刻んで食べてくださいね。

せっかくの不眠効果を高めるためには

せっかくなら、
更に効果を高めてくれる食材と
一緒に食べると効果的。

  

牛乳、卵、牡蠣など
血を補う働きがある食材

おススメです。

漢方では、血が不足すると
不安感や不眠の症状が
出やすくなる
と考えられています。
  
 

補血作用に優れた食材を摂ると
心を落ち着かせる効果が期待でき
不眠対策にいい
とされています。

レタスの95%は水分!

みずみずしいレタス、
納得のいく数字かと思います。

他の栄養素が占める割合は
約5%

  

 
  

この数字を見ると
レタスの栄養素は少ない印象が
強くなってしまいますが、
この約5%に
身体に必要な栄養素が
バランスよく含まれています。

  
  
  

1つ1つの栄養価が
決して高いわけではありませんが
他の野菜や
調味料と上手に組み合わせて
食べることが大切
です。

おわりに&まとめ

薬膳の視点から見たレタスは
以下のような効能を持っています。

「甘・苦」「涼性」の性質で、体内の熱を鎮める
「肝・胃」に働きかけ、気血と自律神経のバランスを整える 
「補血作用」により、女性の体を内側からサポート 
「清熱爽神」の力で、ストレスや不眠、イライラに優しく寄り添う

不調の予防にもぴったりな
心身にやさしい食材

 
 
 

ふんわりとした見た目の中に
確かな癒しの力を秘めたレタス。

 
 
 

女性の不調や心のゆらぎに
そっと寄り添う
まさに“食べる養生薬”です。

 
 
 

何気ない日常の中に
体と心をいたわるレタスの習慣を。

 
 
 

あなたの食卓にも
今日から
薬膳の知恵をひとさじ加えてみませんか?

●参考書籍・参考サイト●

「漢方ごはん」 櫻井大典著 長岡書店
https://mainichi.jp/articles/20210309/ckp/00m/100/004000c 「レタス」クックパットニュース
https://www.mag2.com/p/news/17777 中国人がレタスを「生」ではなく、必ず「炒めて」食べる理由 mag2ニュース
https://rouken-roubyou-kurasu.com/%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%81%AE%E8%96%AC%E8%86%B3%E7%9A%84%E5%8A%B9%E8%83%BD%E3%81%A8%E4%BD%BF%E3%81%84%E6%96%B9/ 「レタスの薬膳的効能と使い方」老犬&老猫と暮らす