「朝ごはんといえば、納豆!」
というご家庭も
多いのではないでしょうか?

発酵食品として
カラダに良いイメージのある納豆ですが
薬膳の視点で見てみると
その力や注意点がより深く見えてきます。
「なんとなく体がだるい…」
「疲れが抜けにくい…」
そんな時、納豆をはじめとする
ネバネバ食品が
体にどう働くのか?
今回は、納豆を
薬膳的に読み解きながら
効果的な摂り入れ方をご紹介します。
納豆のネバネバは、体のスタミナ源?
納豆のあの独特な“ネバネバ”
――実はこの粘りにこそ
健康のヒントがあります✨
薬膳では、
ネバネバ系食材
(山芋、オクラ、なめこ、モロヘイヤなど)は
「陰液(体の潤い)」や
「精(エネルギーの源)」を補うとされ
特に
・疲れやすい
・だるさが抜けない
・肌が乾燥しやすいといった方には
スタミナ補給の味方になります。
納豆は発酵によって生まれた
「納豆菌」が豊富に含まれ
腸内環境を整える助けに。
さらに
・たんぱく質
・ビタミンB群
・鉄分
・カルシウム
も多く含まれており
まさに“体にやさしいスタミナ食”といえます。
漢方で見る納豆の性質とは?
納豆の五味五性
【五味】甘味
【五性】平性(温めも冷やしもしない性質)
【帰経】脾・胃・肺
冷やしも温めもしない「中庸」の性質で
比較的多くの人に
合いやすい食材であることを意味します。
納豆の薬膳的効果効能
補気:気を補う
活血:血の巡りを良くする
整腸:腸の働きを整える
滋養疲労回復・スタミナ補給
潤い補給
甘味は「補う」「緩める」働きを持つので
疲れている時や
ピリピリしやすい心を
落ち着けたい時にもぴったり。
さらに、納豆には
「活血」作用もあるとされ
・血流を改善
・肩こりや頭痛
・冷え といった
“瘀血(おけつ)”による不調の予防にも
役立ちます。
他のネバネバ食品との違いは?山芋・オクラ・モロヘイヤと比較
納豆のほかにも
ネバネバ食品としておなじみなのが
「山芋」や「オクラ」「モロヘイヤ」
これらも薬膳では
滋養強壮や疲労回復に使われる
優秀な食材です。

では、納豆との違いは
どこにあるのでしょうか?
食材 | 五味・五性 | 帰経 | 主な働き | 特徴的な効果・使い方 |
納豆 | 甘 平性 | 脾 胃 肺 | 補気 活血 整腸 | 発酵食品 たんぱく質源 |
山芋 | 甘 平性 | 脾 肺 腎 | 補気 補陰 強精 | 滋養強壮 粘膜保護 |
オクラ | 甘・酸 涼性 | 胃 大腸 | 潤腸 清熱 解毒 | 夏の潤い補給 便秘改善 |
モロヘイヤ | 苦・甘 涼性 | 肝 腎 胃 | 清熱 補腎 強壮 目の疲れ改善 | スープやおひたしで 夏の養生に |
納豆 vs 山芋
納豆と山芋はどちらも
「甘・平性」で
消化器系をいたわる働きがあります。
特に、
山芋には「腎」に帰経し
老化予防や生殖機能のサポートといった
働きがあるのが特徴。
胃腸が弱く
体が冷えやすい方には
山芋のほうがやさしい場合もあります。
納豆 vs オクラ
オクラは「涼性」で
体の余分な熱を冷ます働きがあるため
暑がりで湿熱体質の人にぴったり。
納豆に比べて
「清熱」「解毒」の働きが強く
夏場の体調管理や
便秘対策にも向いています。
ただし、冷え性の人には
生食を控えるなどの工夫が必要です。
納豆 vs モロヘイヤ
モロヘイヤはアラビア語で
「王様の野菜」と呼ばれるほど
栄養価が高い夏野菜。
・βカロテン
・ビタミンB群
・カルシウム
・鉄分
・マグネシウムなどを豊富に含み
薬膳的には「肝」と「腎」を補いながら
体にこもった熱を冷まし
潤いを与える力があります。
特に目の疲れや
イライラ
不眠気味の人に向いており、
「暑さで食欲が出ない…」
という時でも
スープやおひたしにすれば
スルッと食べられるのも魅力です✨
体質によっては注意が必要?納豆との付き合い方
体に良いといわれる納豆ですが
薬膳では
「すべての食材がすべての人に合うとは限らない」
と考えます。
納豆も例外ではありません。
薬膳の知恵では
「体質」や「季節」「体調」に合わせて
食べ方を工夫することが
もっとも大切とされています。
胃腸が弱い(脾虚)タイプ
消化吸収が弱い人は
冷たいままの納豆を
一気に食べると胃もたれの原因に。
なるべく温かいごはんと一緒に🍚

刻んだネギや
おろし生姜を添えるのもおススメ。
体内に湿がたまりやすい(痰湿)タイプ
むくみやすく
体が重だるい人は
納豆の「粘り」が湿を助長することも。
大根おろしやみょうがなど
湿を流す薬味を加えて
さっぱり食べると◎。
熱がこもりやすい(湿熱)タイプ
ニキビや吹き出物が出やすい
口内炎ができやすい人は
過剰に食べると
症状が悪化することも。
頻度は週2~3回程度に調整をしながら
体調を確認してみてください。
納豆をおいしく薬膳に取り入れるコツ
納豆はそのままでも栄養価が高いですが
薬膳では
「組み合わせ」を重視します。

体の状態に合わせて
こんなトッピングはいかがでしょうか?
状 態 | おすすめの組み合わせ | 目 的 |
疲れやすい | 納豆+卵黄+ ごま+ねぎ | 気を補って 元気回復 |
むくみ 重だるさ | 納豆+ 大根おろし+大葉 | 湿をさばいて 代謝UP |
冷え 胃もたれ | 納豆+刻み生姜+ 温かいごはん | 脾を補い 消化力UP |
ストレスや イライラ | 納豆+しそ+酢 | 気の巡りを 整えて リラックス |
調理時の注意ポイントとして
「加熱しすぎない」ことも大切です。
納豆菌やビタミンは
熱に弱いため
炒めものや納豆チャーハンなどにする場合は
仕上げにさっと加えるのが◎。

まとめ&おわりに
「納豆」をはじめとするネバネバ食品は
体を元気にしてくれる
素晴らしい存在です。
そして、
薬膳の知恵を取り入れることで
さらに「自分に合った」食べ方が見えてきます。
「今日はどんな体調かな?」
そんな体との対話を通して
納豆のネバネバパワーを
味方にしてくださいね😊