前回の「水」の臓器である
『腎(じん)』から続いて
今回は「木」の臓器である
『肝(かん)』に進んでいきます。
「木」のように成長し、加速する時期
五行の第2元素は「木」(※諸説いろいろあります)
「水」である”種子の時期”から
”成長して、加速していく時期”
「木」の時期とは
植物でいうと
”新芽の季節”です。
「木」には
成長してゆく樹木のように
生長
伸長
柔軟
といった性質を持つ要素が属します。
「肝」は
樹木の性質に例えられ
大地の養分を吸い上げて
太陽のエネルギーを吸収して育ち
空に向かって
枝葉を伸ばし
広げる性質を持っているといわれています。
木の性質
樹木が成長し幹や枝が伸びていく状態
伸展・上昇を表している
⇒人生では、動機付けされ、成長していくこと
そして周りに順応していくことと関わる。
『肝』の主な機能
①全身の血流量を調節する(蔵血機能)
肝の「蔵血機能」とは
血の貯蔵というより
体各部への血液量を調節する作用を指します。
②全身の気の働きを調節する(疏泄(そせつ)機能)
疎泄(そせつ)とは
体全体に気・血・水を
順調に巡らせる機能をいいます。
目的に応じて
必要なところに
必要なだけ
気を配分する調節機能を「肝」は担っています。
肝気(肝の機能)が
過剰になるとイライラし
肝気が不足すると
抑うつ状態になります。
③自律神経を整える
肝は、
気の流れを通じて
感情の調節をしたり
自律神経系によって
体全体の機能を順調に調節する働きもします。
気の過剰な流れや滞りによって
自律神経や感情が
影響を受けやすくなります。
感情に関わる『肝』の不調
肝の”蔵血機能”と”疏泄機能”が低下すると
気血水の動きに影響が出やすくなります。
①消化不良
ストレスにより疏泄機能が低下すると
胃腸の働きが落ち
下痢や便秘を引き起こします。
②目の不調
肝と目は経絡でつながっているため
症状が出やすく
かすみ目などの
目の不調が出やすくなります。
肝の熱が目に上昇すると
目の充血や痛みを生ずることがあります。
③感情が不安定
肝の不調で自律神経が乱れると
月経異常
貧血
じんましんが出やすくなります。
精神面では
神経が過敏になり
焦り
いらいら
怒りっぽくなるなど
気分が不安定になります。
④筋力低下
蔵血作用が低下して
筋肉が栄養不足に陥った状態です。
筋力が落ち
手足に痙攣が出る場合もあります。
あとがき&まとめ
「肝の華は爪にある」
肝が充実していれば
爪は艶があり
ピンク色を呈しますが
肝血不足では
爪の色が悪くなり
もろく、変形するという意味です。
なんだか艶っぽい説明だなぁと
感心したものです。
それと同時に
身体の不調が
こころにも大きく影響を与える臓腑
ということも改めて理解できました。
私は疲れがたまると
まぶたがぴくぴく痙攣するのですが
これが『肝』に関するトラブルだというが分かり
身体とこころとの向き合い方が
分かったような気がします。
うすうす感じていたのですが
ストレスが原因の痙攣でしたね。
善処したいと思います💧
「カラダを考える東洋医学」 伊藤剛 朝日新聞出版
「プロが教える東洋医学のすべてがわかる本」 平馬直樹 ナツメ社
https://www.timeless-edition.com/archives/3792#tree Timeless Edition「東洋医学」五元素
http://kagetsu-clinic.or.jp/kanpou/k_06.html 花月クリニック「肝について」