漢方の基礎知識:五臓六腑「火」血脈と神志を司る臓腑『心』

漢方・東洋医学

今回は五行の第3元素である「火」です。
それに呼応する臓腑
『心(しん)』についても調べていきます。

「火」とは具現化するエネルギー

五行の第3元素は「火」です。

  
  
  

「水」の種子の時期から
成長して、加速していく「木」の時期が過ぎ
さらに拡張し勢いが最もある時期が「火」です。

  
  
  

植物で言うと花が咲き開く時期です。

  
  
  

人生では、
方向づけられた道筋を具現化させる時期です。

「火」の性質

「火が燃える」という意味で

炎上
発熱
上にあがる など

の性質があります。

『心』の主な機能

①血を巡らせるポンプ作用(推動(すいどう)作用)

血を全身に巡らすポンプ作用があります。

  

この機能により、血の栄養分を
身体の隅々まで運ぶことが出来ます。

  

この点においては
西洋医学の心臓と
同じ機能を担っていますが
まったく同一の意味ではありません

  

②精神をコントロールする作用

西洋医学と大きく異なる点として
「心」は精神や意識を
コントロールする働きを
担っている
ということです。

  

「心」は生命活動を統率する中枢であり
精神・意識活動の源
にもなっています。

  

間接的に、睡眠にも関わってきます。

東洋医学では
命を司るものを
「精」「気」「神」の大きく3つ
分類しています。

中でも「神(しん)」とは
意識・思惟・精神・情緒など
精神活動を司っている
ものです。

「神」の働きは
ほかの精神活動を統括する働きも担っています。

   

③体温・発汗の調節

血の巡りを
コントロールすることに
関わってきますが、
体温の調節にも関連しています。

  

「汗は心の液」とも言われ
心の状態は発汗に大きく関わっています

東洋医学では
”津液”が汗と心の陽気によって
気化されたもの
で、
心の高ぶりによって多汗
逆に減退すると、汗が出にくくなる
と考えられています。

   

循環・精神に関わる”心”の不調

①血行障害

血を循環させる
心の機能が低下すると
身体のあちこちに
血行障害が生じます。

・貧血
・手足の冷え
・顔色が青白くなり、唇は薄紫色になります。

    

②動悸や不整脈

血行障害を改善するために
あるいは「心」自体に生じた
血不足を解消するために
拍動を増やすようになります

その結果
・動悸や不整脈
・胸内苦悶
・胸痛
・息切れ
・脈の空虚 などがあります。

  

③精神不安

精神活動にも深く関わってくるため
いろんな症状を引き起こします。

高ぶった場合

   高揚感や楽観的な傾向が現れますが
   強すぎると興奮やイライラが生じます。

・落ち着きがなくなる 
・イライラする 
・不眠・寝つきの悪さ
・多夢などの睡眠障害

 低下した場合

   高ぶった場合と逆の症状
   精神活動が正常に働かなくなる場合があります。

・集中力が低下したり、物忘れがひどくなる
・不安感や判断力の低下、意識の混濁
・味覚異常

●参考サイト・文献●
「カラダを考える東洋医学」 伊藤剛 朝日新聞出版
「プロが教える東洋医学のすべてがわかる本」 平馬直樹 ナツメ社

https://www.timeless-edition.com/archives/3792#tree  Timeless Edition「東洋医学」五元素
http://kagetsu-clinic.or.jp/kanpou/k_06.html 花月クリニック「肝について」

 

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