ずいぶん前の話ですが
生涯で初めて
「不眠」に陥ったことがあります。
その経験をもとに
このサイトでも
「不眠」に関わる事柄や情報ついて
紹介をしてきたのですが、
今回は漢方の知識も増えた上で
しっかり調べて
まとめてみたいと思います。
漢方を勉強し始めて
一番最初に確認した項目は
「婦人病」と「睡眠」でした。
それだけ私にとっては
重要な事柄だったんですね。
当時、一生懸命調べた情報が
まだPCの中に残っていて
それも加えて
まとめ直してみたいと思っています。
漢方では、カラダと心を切り離さない
最近では西洋医学でも
「不眠」を身体的側面と
精神的側面の2つから見ています。
中医学ではもともと
心とカラダを異質のものとして捉えず
同じレベルで考えています。
「不眠」に対する考え方としては
・ストレスや抑鬱
・急激な変化によって乱される感情
・過労や過度に怠惰な生活
・傷病・慢性病による体力の消耗
・暴飲暴食など食生活の不節制
・(女性であれば)月経 などが挙げられます。
『心(しん)』『肝(かん)』『脾(ひ)』の状態を考える
中医学において「不眠」は
主に3つの臓腑
「心」・「肝」・「脾」が
関係していると考えられています。
何らかの原因で
これらの臓腑の働きがうまくいかないと
身体のバランスが乱れ
不眠の症状が現れると言われています。
ひとつひとつの臓腑から
その関連性も含めてみていきましょう。
心(しん)
「不眠」の主な原因は
西洋医学でも中医学でも
精神の変動と言われています。
中医学でいうところの「心」は
西洋医学と同じ
血液ポンプとしての役目に加えて
思考・精神作用の中枢とされています。
より良い睡眠のためには
精神活動を統率する「神」が
「心」で
安定していることが大切です。
この状態を「安神」といいます。
「安神」のためには
「心」を養う栄養物である
血・津液・気(陽)などが
充実していなければなりません。
これらが不足すると「不眠」が起きます。
睡眠の失調というのは
「心」の機能と
結び付けて考えられるわけです。
心気は「腎」に下降し「腎」を温め
腎水は心火が高ぶらないように、心火を養う
という協調関係があります。
このバランスが崩れると
心が興奮状態になり
「不眠」になりやすくなります。
陰液不足による
膝・腰のだるさを伴うことがあります。
これを「心腎不交(しんじんふこう)」といいます。
実証の症状です。
肝(かん)
「肝」は
大量の血液を貯蔵している臓腑で
「心」とともに
血と関係の深い臓腑です。
「心」は血に滋養されて
活動を安定させています。
しかし憂鬱や激しい怒りによって
「肝」を傷つくと
血を蓄える機能は失調してしまい
肝血(肝臓が貯蔵している血液)は減少するため
熟睡ができなくなります。
抑うつやイライラが
「肝」の疏泄機能(全身の「気」の働きを調節する機能)が失調し
「肝火」を生じさせ
「心」の乱れに生じさせます。
これを「肝鬱化火(かんうつかか)」といい
イライラして寝付けない状態になります。
「肝火」は実証の症状です。
脾(ひ)
考えすぎたり
心配ごとがあると
食欲は減退した経験はありませんか。
考えすぎは
「脾胃」の機能を失調させるため
気血の生成が少なくなります。
「心」に届く血「心血」が不足すると
「心神」は養分を失い
不安定状態の「不眠」が生じます。
眠りたいのに眠れない状態に
陥りやすくなるのです。
この状態を「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」といい
「心神」と「脾」の両方に
滋養が与えれていない不調を指します。
虚証の症状です。
暴飲暴食などが原因で
消化吸収が悪くなり
体内の余分な水分が「痰(たん)」となります。
この痰が熱を持つと
「痰熱(たんねつ)」となり
心神の働きを乱して
「不眠」になることがあります。
この場合、
夜中に何度も目を覚ましたり
げっぷや胸のつかえがあるのが特徴です。
実証の症状です。
おわりに
漢方の知識が増えたうえで
「不眠」について調べてみると
入ってくる情報量が違うことに
感動✨✨
原因についても
細かくまとめることが出来て
私的には満足です✨
「不眠」の改善については
過去のブログを参考にしていただけると
ウレシイです(*´˘`*)♡
「プロが教える東洋医学のすべてがわかる本」 平馬直樹 ナツメ社
https://kanpo-kan.com/fuminshou.html 誠心堂漢方館
https://tozai-yakkyoku.com/fumin/ 漢方東西薬局「不眠」