漢方の勉強をし始めてから
自分の体質を、診断に当てはめて
「これで合っているのかしら…」(-“”-)
と思うことが多々あります。
誰も私の素人判断を
評価してくれないので、
正解なのかがわからない(笑)
いまでは親切なサイトに
『あなたの証は?』
なる診断ページもあって、
漢方での診断が身近になったような気がします。
体質改善にとっても
病気の治療にとっても
とても大切な診断。
今回は
その『証』とは一体なにか?
について
調べてまとめていきたいと思います。
そもそも「証」とは一体なに?
「証」とは、
分かりやすくいうと
「その人の心とカラダの
状態をあらわすもの」です。
体質・体格
体力
身体の抵抗力
心理状態 などを
ひっくるめたものです。
西洋医学では
診断名が決まれば
治療方法は決まってきます。
漢方の世界における「証」は
ひとりひとりで異なるので
同じ病気だとしても
お薬の処方内容が変わってくるのです。
「証」は、いわば
オーダーメイドの洋服を作るための
型紙です。
“ものさし”によって
体格や体質
体力や心理状態などを測り
個人にあわせた型紙
「証」が作られ
その人専用の洋服
「漢方薬」が仕立てられます。
そのため西洋医学では
病名は同じであっても
「証」が違えば
異なる漢方薬をすすめられることがあるのです。
「証」を立てるための診断「四診(ししん)」
現代西洋医学では
モニターに映し出された
画像や検査データの値で
病気を診断することが
多くなっています。
画像や検査データに異常がなければ
患者さんが不調を感じていても
治すところはないと
判断してしまいがちです。
しかし中医学では
データだけに頼ることはありません。
体内で異常が起こった時
その影響は全身に及び
何らかのサインが
体表に現れると考えます。
そのサインを五感で集めて
診断を下す
「四診」を行います。
その診断の優先順位としては
望診 > 聞診 > 問診 > 切診
とされており
部分よりも全体を優先することを
原則としています。
①望診(ぼうしん)
視覚による診断方法です。
患者さんの外見を良く観察して
さまざまな情報を収集します。
・体型
・姿勢
・表情
・顔色
・舌の色
・動作が早いか遅いか など
外見に現れていることすべてが
判断材料になります。
特に舌を観察することを
「舌診(ぜっしん)」といい
漢方では
舌は体内の状態を反映する鏡と考え
「気・血・水」とのつながりが深いため
重視しています。
②聞診(ぶんしん)
「聞」という漢字には
「音を聞く」という意味の他に
「匂いを嗅ぐ」という意味もあります。
「聞診」とは
聴覚・嗅覚による診断方法です。
・声の質や調子
・呼吸や息遣い
・咳やしゃっくり
・お腹の音 など
状態を聞き取って判断します。
口臭や体臭などの
においからも判断します。
③問診(もんしん)
「問診」は
現代医学のものと同様
患者さんから症状や経過を聴取することです。
現病歴や既往歴だけでなく
生活習慣も含めた
患者の体質傾向を
聞き出すための質問もします。
・食欲の有無
・食事の量
・睡眠の状況
・排便排尿の回数
女性ならば月経の状態など
さまざまな情報を聞き出して
証を立てる手掛かりにします。
④切診(せつしん)
「切診」は
医師が直接患者の身体に
手を触れて診察することであり
「脈診」と「腹診」があります。
脈診では、
脈拍・不整脈だけでなく
脈の速さ・強さ・深さ・緊張度などによって
病態を把握します。
一方、腹診では
腹部の特別な所見の有無を
診ることが出来ます。
腹診はもとの発症は中国ですが
日本で独自に発達した診察法です。
おわりに
昔の内科の先生は
お腹が痛くなって
病院へかかると
「ここが痛いの? どう痛むのかな?
しくしくする? チクチク痛む?」
いろんなことを聞きながら
触ったり
そっと押し込んでみたりされましたね。
あれも「証」を立てていらしたんだなぁって
懐かしく思います。
今は先生によっては
患部に触ることなく
病名を診断したり
お薬を出されたりすることが
多いように感じます。
時代に変化なんでしょうかね
なんだか寂しい気持ちにもなります。
「プロが教える東洋医学のすべてがわかる本」 平馬直樹 ナツメ社
「漢方の基礎講座」 谷口ももよ監修 成美堂出版
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E5%9B%9B%E8%A8%BA 公益社団法人日本薬学会「薬学用語解説」
https://alinamin-kenko.jp/kenkolife/encyclopedia/knowledge/pittari.html 健康サイト byアリナミン製薬「ぴったりの漢方薬を見つけよう」