はじめの薬膳:OpenSesame!冬の食養生「黒ごま」

漢方・東洋医学

薬膳や食養を勉強し始めた頃
私のような血が流れにくく
血が少ないタイプの人は

「難しいことを考える前に
 とりあえず何にでも
 黒ごまをかけて食べなさい」

というアドバイスを
たくさん耳にしたり
見かけました。

  
  
  

それほど「黒ごま」は
食事に取り入れやすく、
効果効能が高い
ということなのでしょうね。

  
  
  

もともと「ごま」は
好きな食材ではありましたが
それ以降
なんにでもかけるようになりました。

  
  
  

色合いもアクセントになるし
食感も
味も香りも、好き✨✨

 
  
  

ムリなく手軽に
養生できることが
なんにしても嬉しいコトでもありました。

  
  
  

今も、
ばんばん活用させていただいています。╭( ・ㅂ・)و ̑̑

  
  
  

食生活に密着している
「ごま」ですが、
しっかり調べたことは
ありませんでした。

  
  
  

冬が厳しくなっていく、この時期

  
  
  
ちょうど良い機会なので「ごま」
特に「黒ごま」について
調べてみたいと思います。

薬膳的「黒ごま」の効果効能

【五性】甘味
【五味】平性
【効果効能】
 ・肝と腎を補う
 ・便通をよくする
 ・血を補う
 ・精を補う
 ・乾燥を潤す

「黒ごま」はもともと、
「精血不足(せいけつふそく)」による
・全身の潤い不足
・白髪
・めまい
・眼のかすみ などに
用いられる生薬でもあります。

  
  
  

「精血不足」とは、
腎の中に貯蔵されている「精」と
肝に貯蔵されている「血」が
不足している
という意味です。

精血は不足すると
肌や髪などの美容にも影響します。

  
  
  

肌は、
乾燥し
シワ
たるみ
血色が悪くなります。

 
  
  
白髪、髪の毛がパサついてツヤがない
髪が細くなる
切れやすくなる
脱毛など、
髪の健康にも影響がでやすくなります。

また、黒ごま・白ごま
共通する作用として
皮膚や粘膜を潤す作用があります。

  
  
  

どちらも腸壁を潤して
便通を促す
ので、
腸の粘膜が乾燥して
コロコロと乾燥した硬い便が
出るタイプの便秘におススメです。

「白ごま」と「黒ごま」

江戸時代の「本朝食鑑」という書物では

「黒胡麻は「腎」に作用し
 白胡麻は「肺」に作用する」

と書いてあります。

  
  
  

色で作用する臓腑が違うんですね。

インドの伝統医学である
「アーユルヴェーダ」では、
「白ごま」よりも
「黒ごま」の方が、
よりたくさん太陽のエネルギーを
吸収しているので
効力が強い
と言われています。

  
  
  

結論から言うと、
「白ごま」と「黒ごま」は
植物学的には同じ品種です。

  
  
  

そのため、栄養成分はほぼ同じ。

  
  
  

しかし
「皮の色が違う」という大きな違いから
一部の栄養素や
薬膳の効果効能や味にも
違いがあります

  
  
  

「黒ごま」の皮は
「白ごま」に比べて、

厚くて黒いのが特徴です。

  
  
  

この皮の違いは、
黒ごまは白ごまに比べ
・ポリフェノールが多い
・カルシウムが多い
・アントシアニンを含む という
特徴につながっています。

「黒ごま」と食材と組み合わせて、カンタン薬膳

薬膳と聞くと、
とっつきにくい感もありますが
性質が分かると
いたってシンプル。

  
  
  

ぜひ特性を知って、
食卓に取り入れてもらえると
嬉しいです。

  
  
  

「ごま」は外皮が固いので
生で食べても風味がなく
消化にもよくありません

  
  
  

煎って炒りごま
すってすりごまにしたり
ペースト練りごまとして食べると
香りと消化や栄養の吸収が
よくなります。

しかも「黒ごま」は平性で
寒熱の偏りなく補うことができるため
とても使いやすい食材
でもあります。

  
  
  

「黒ごま」は、香りが強く香ばしく
コクがある
ため
他の食材にも負けません。

  
  
  

他の食材と合わせても
風味が負けないので
味に癖のある野菜との相性も良いです。

  

 

 

黒ごまの香りや味を生かした
スイーツも多く
クッキーやプリンなどにも合いますね。

さらに、「ごま」の栄養価は
植物性食品のなかでもダントツ✨✨

  
  
  

老舗ごま専門店の和田萬さんでは
毎日大さじ2杯(20g)の「ごま」を
食べることをおすすめし
ています。

 たった大さじ2杯のごまに
 牛乳1本分のカルシウム
 豆腐1/3丁分のたんぱく質
 ほうれん草100g分の鉄分
 生わかめ70g分の食物繊維の
 栄養素が含まれているんです。

https://www.wadaman.com/nutrition/ 「ごまの栄養」和田萬

おわりに&まとめ:冬の養生と黒ごま

「黒ごま」は「精」を補うので
季節でいえば
ちょうどこの時期、
冬に取り入れて欲しい
食材のひとつでもあります。

 

  
  

冬は「腎」に
「精」という生命を維持するためのエネルギーを
貯金する季節
といわれる一方、
冬の寒さで
「腎」を弱めやすい季節でもあります。

  
  
  

冬は「精」を補いながら
体を温める食品を多く食べ
「腎」を弱めないようにしながら
エネルギーを蓄えます。

  
  
  

そして、春に
十分なエネルギーを持って
活動できるようにしましょう。

●参考文献・参考サイト●
https://yakuyomi.jp/manner_technique/chuigaku73/ 「「黒ゴマ」潤いを補ってアンチエイジングする生薬」薬読

https://www.gourmetcaree.jp/matome/2019/06/03/post-14264/ 「白ごま」と「黒ごま」の違いって何?」グルトピッ!
https://hitokuchi.co.jp/pages/goma1 「白ごま、黒ごま、金ごまとは?」ひとくちチョコレート
http://www.kanpoos.com/herb/index6_07.html 「ゴマ 薬膳食材メモ」
https://www.wadaman.com/nutrition/ 「ごまの栄養」和田萬
薬膳素材辞典 辰巳洋主編 / 薬になる食べ物 篠田雄介著
「国際中医薬膳管理師」福山真美代著

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