漢方の基礎理論『気血水』:水分代謝や免疫にも関与する「水(すい)」

漢方・東洋医学

前回の「血」に続き

今回は『気血水』の中の
「水(すい)」について書いていきます。

  
  
  

「水(すい)」も生命の維持の上で不可欠のもの

人間の身体の70%は水分です。

  
  
  

「水」とは
「血」以外の体内にある透明な液体
をさします。

  
  
  

つまり鼻水や尿
リンパ液
骨髄液
細胞間液などの
体のあらゆる水分を指し
免疫力に大きな関わりがあります。

  
  
  

「水」は
中医学でいう「津液(しんえき)」と
ほぼ一緒。

  
  
  

バランスよく身体に分布しているときは
良いのですが、
これが崩れると
毒として働く
と考えられています。

  
  
  

高温多湿の
日本の風土により引き起こされる
不調を説明するために
必要であった考え方
です。

「水」の働き

・内臓や機関に水分による、潤いを与える
・関節のはたらきを滑らかにする

「水」が原因のトラブル

「水毒(すいどく)」と「水滞(すいたい)」

「水」が体の中で偏在した状態を「水滞」

「水」の代謝障害
または
それによって発生した有毒物質を「水毒」

この2つを
詳しく区別する書籍やサイトもありますが
似たような症状が出るため
ここでは同じくくりとして解説していきます。

・めまい
・頭痛
・動悸
・浮腫
・下痢
・胃内停水
・尿量の増減など

水が上の方に上がる
めまいや頭痛といった症状になり

下の方にくると
下痢や足のむくみという症状として出てきます。

  
   

水毒は
一過性として出てくることもありますが
胃腸虚弱のような方は
慢性的に見られることもあります。

しばしば津液は水(すい)とも呼ばれ
意味としても
津液と同じように扱われます。

「津液」と「水」以外にも
漢方には同じ意味なのに
複数の呼び名があったり
同じ言葉なのに
異なった意味が含まれているケースが
とても多いので注意が必要です。

(補足)「陰液」という概念について

中医学では、
血や津液などの液体物質を「陰液」と総称
これらの不足した状態を
「陰虚」
と呼びます。

●陰虚の症候●
・乾咳
・耳鳴り
・目がかすむ
・皮膚枯燥
・のどの渇きなど
血虚と水分(津液)不足をあらわす症状を伴います。

これで「気血水」
すべての解説が終わりました!!

  
  
こうやってみると
漢字の意味も相まって
分かりやすくありませんか?(^_-)-☆
  
  
  
次回からは、
漢方のいろんなものの”物差し”を
解説していきますね。

●参考サイト●
https://kampo-ikai.jp/towa/basic2/ 日本臨床漢方医会https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=9356 クラシエ kanpofulLife 
http://kagetsu-clinic.or.jp/kanpou/k_03.html 花月クリニック「漢方について」
https://www.kampoyubi.jp/learn/basic/03_2_3.html クラシエ製薬「病理による分類 気血水の診断」
https://www.ikwc.jp/cgi-bin/info/archives/22.html 女性とこどもの漢方学術院

  

  

  

  

  

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