はじめの薬膳:「もしかして更年期?」そんなあなたに届けたい、やさしい薬膳のすすめ

最近、なんだか疲れやすい

気分が落ち込みやすいし、イライラすることも増えた…

夜中に目が覚めて眠れない


40代半ばを過ぎたころから
そんなお悩みが
少しずつ増えてきていませんか?

 
 
 

それは、もしかすると
“更年期”のサインかもしれません。

 
 
 

でも大丈夫。

 

更年期は病気ではなく
女性ホルモンが
ゆるやかに変化していく自然なプロセス。

とはいえ、放っておくと
毎日が
しんどくなってしまうこともあります。

 
 
 

そんなとき、
体にやさしく寄り添ってくれるのが
「薬膳」の考え方です。

 
 
 

今回は、薬膳の視点から
「更年期を少しでもラクに過ごすための食事」
についてお話しします。

更年期のカラダ、実はこうなっている

まずは、なぜ更年期に
体や心に不調が出るのかを
知っておきましょう。

 
 
 

漢方では、女性の健康には
「腎(じん)」が深く関わっていると
考えます。

 
 
 

「腎」は
ホルモンの源のような働きを持ち、
生命エネルギー(精)を蓄え
成長や老化、生殖などを
コントロール
します。

40代以降、
この「腎」のエネルギーが
少しずつ減ってくることで、
体や心のバランスが崩れやすく
なります。

 
 
  

また「肝(かん)」という
気血の流れをコントロールする臓腑

影響を受け、
イライラや不眠、情緒不安定といった
症状が出やすくなる
のです。

つまり、更年期は
「腎の弱り」+「肝の乱れ」

がキーワード。

 
 
 

薬膳では
このバランスを整えるような
食材を取り入れることで、
不調の緩和を目指していきます。

更年期におすすめの薬膳食材

それでは実際に、
どんな食材が更年期のケアに
役立つのでしょうか?

 
 
 

ここでは、
「補腎(ほじん)」
「養血(ようけつ)」
「疏肝(そかん)」という
3つのアプローチ
に分けて
おすすめの食材をご紹介します。

1. 「腎」を補う食材=生命力を養う

更年期にはまず
「腎」のエネルギーを補うこと
大切。

黒ごま
 腎を補い、髪のパサつきや白髪にも◎
 毎日のスープやおにぎりに

黒豆
 血を補いながら腎も養う万能食材
 煮物やごはんに加えて

くるみ
 滋養強壮によく
 疲れやすいときのおやつにも

山芋
 消化にやさしく、気力と精力を養う
 とろろや炒め物に

なつめ
 血を補い、不安感や不眠にも
 お茶に入れるのもおすすめ

2. 「血」を養う食材=肌や心をいたわる

「血」が不足すると
・肌荒れ
・疲れやすさ
・やる気の低下などが
起こりやすくなります。

にんじん
 血を補い、目の疲れにも
 炒め物やスープに

ほうれん草
 鉄分が豊富で、貧血予防に

レバー
 血を養う王様食材
 ただし食べすぎには注意

卵黄
 潤いと血を補う
 毎日の卵料理で手軽に摂取

ぶどう
 体力回復に◎
 ドライフルーツも便利です

3. 「肝」を整える食材=気持ちを穏やかに 
 ~疏肝(そかん)という考え方~

更年期になると
ストレスや感情の波を
感じやすくなる方が増えます。

 

その背景にあるのが
「肝(かん)」の働きの変化です。

 

漢方では、「肝」は
気(エネルギー)の流れをスムーズに保ち
情緒の安定にも
深く関わっている
と考えられています。

 

この「肝」の働きが滞ると
・イライラ
・怒りっぽさ
・不眠
・動悸
・胸のつかえ などの症状が出てきます。

 

ここで登場するのが
「疏肝(そかん)」という考え方です。

疏肝(そかん)とは…

「疏(そ)」
 “通す”や“のびやかにする”という意味

「疏肝」
 肝の気の流れをスムーズにして
 感情の安定を図る方法です。

疏肝を助けるためには
香りのよい食材
気の巡りを良くする食材を取り入れるのが
効果的です。

セロリ
 香りが良く、気の巡りを助ける
 サラダや炒め物に

みかんの皮(陳皮)
 気の滞りを改善 
 お茶にしても◎

しそ
 香りが肝に働きかけ
 胃腸も整えます

菊花茶
 目の疲れ、頭のほてり、イライラに

ミント
 スーッとした香りがストレス解消に効果的

疏肝のための食材は
香りがよく
リフレッシュ効果のあるものが多いので
気分転換にもぴったりです。

薬膳は“がんばらない”で続けることがコツ

でも、そんなにたくさんの食材、毎日は無理…

そんな声が聞こえてきそうです。

 
 
 

大丈夫

薬膳は「特別なもの」ではなく
「身近な食材」を
「ちょっと意識して取り入れる」だけ
でも
効果があります。

 
 
 

たとえば、

朝ごはん:黒ごま入りのごはん+卵焼き

昼食:にんじんとほうれん草のお味噌汁

夕飯:山芋と黒豆入りのとろろごはん

そんなふうに
できるところから
ゆるく続けていけばOK。

 
 
 

無理に完璧を目指すより
あなたの体と心が
「気持ちいい」と感じるペース

続けることがいちばんです。

まとめ

更年期は
誰もが通る人生の一部。

 
 
 

でも
不調に振り回されるのではなく
自分の体と
やさしく向き合うチャンスでもあります。

 
 
 

薬膳の知恵は
そんなあなたに寄り添ってくれる
心強い味方。

「腎」を補い
「血」を養い
「肝」を整える

そんな食事を
少しずつ意識することで
日々の心と体が
きっと変わっていきます。

 
 
 

まずはできるところから、一歩ずつ👣

 
 
 

あなたの更年期ライフが
少しでも軽やかに
穏やかになりますように🌿