漢方の基礎理論『気血水』:生命活動を活性化させる「血(けつ)」

漢方・東洋医学

前回は
「気血水」の基本的な考え方と
「気」について調べていきました。

今回は
「血(けつ)」について調べていきます。

”血液”よりも幅広い作用を持つ「血(けつ)」

「血(けつ)」とは
西洋医学での”血液”の「血」と書き
全身を巡ってはいますが
”血液”とイコールのものではありません

  
  
  

一つ目の作用として
”血液”と同様に体中を巡り
酸素と栄養素を届け
潤す作用
があります。

  
  
  

さらに気血水理論では
「血」はカラダの物質を作るための原料になると
考えられています。

  
  
  

『髪は”血(けつ)”の余り』
という言葉があります。

  
  
  

「血」は
皮膚や髪の毛だけではなく
血液の原料にもなり

筋肉

臓器
さらにはホルモンに至るまで
カラダのあらゆる部位を
作り出しています

  
  
  

そして「血」によって
カラダは修復・増強
され
健康な状態に保たれている

考えられています。

  
  
  

二つ目の作用として
”血液”と違うところは
精神安定化作用がある
ところです。

  
  
  

「血」は
精神活動の基礎物質
と考えられており
盛んな状態に対する
鎮静作用が機能の主体をなし
興奮を静めたり
冷静な判断をしたり
機能面では、
ゆったりとした状態を提供します。

  
  
  

「血」と「気」は密接な関係にあり
「気」とともに
生命を維持するうえで重要であり
両者は不可分のものです。

「血」が原因のトラブル

「血虚」(けつきょ)

血の量が不足した状態のことを
「血虚(けつきょ)」
といいます。

西洋医学の”貧血”と混同しがちですが
”貧血”は血液の質が悪い
もしくは
血液の栄養分が不足している
ことに対して
「血虚」は
血の量が少ない状態
のことです。

●「血虚」の症状●
・眼が疲れる
・皮膚の乾燥や荒れ
・色が悪い
・むらがえりなど
肉体的な不調の他にも
・多夢、夢をよく見る
・忘れやすい、健忘
・驚きやすい など
精神不安症状もきたします

「瘀血」(おけつ)

血の流れに障害をきたした状態を
「瘀血(おけつ)」
といいます。

  
血の流れがドロドロとして滞り
流れが悪くなっている状態

だと言われています。

●「瘀血」の症状●
・月経の異常
・生理痛など婦人科系のトラブル
・打撲による腫れ
・肩こり
・頭痛
・シミ
・そばかす
・くま
・くすみ
・のぼせや冷えなど、きたします。

「血虚」同様女性に多く
生理や更年期障害に伴う
多くのトラブルに関係しています。

  
  
  

昔から「血の道症」と呼ばれ
漢方治療の最も得意とする分野です。

  
  
  

私の病気
「子宮腺筋症」も
「瘀血」の病状の代表格だと言われています。

興味があったら
覗いてみてくださいね♬
  
  

●参考サイト●
https://kampo-ikai.jp/towa/basic2/ 日本臨床漢方医会
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=9356 クラシエ kanpofulLife
 http://kagetsu-clinic.or.jp/kanpou/k_03.html 花月クリニック「漢方について」
https://www.kampoyubi.jp/learn/basic/03_2_3.html クラシエ製薬「病理による分類 気血水の診断」
https://www.ikwc.jp/cgi-bin/info/archives/22.html 女性とこどもの漢方学術院

  

  
  
  
  
  
  

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